東京都が作成し、飲食店等に配布している「喫煙・分煙・禁煙」に関する明示をするサインステッカー
東京都の在住、
在勤者を中心に18 万人が署名
2017 年10 月26 日より約2 カ月半、東京都生活衛生同業組合連合会は所属の組合店舗、協力関係にある各団体、そして街頭(新宿、上野、錦糸町、八王子で実施)での署名活動を行ない、本年都議会に提出が予定されている「東京都受動喫煙防止条例案」に対する反対署名を集めた(※現在も集計継続中)。昨年度、国会へ提出が予定されていた「改正健康増進法の厚生労働省案」に対する反対署名の際に集まった署名が約120 万筆だったのに比べ、東京都とはいえ一地方行政の条例案に約18万筆と全国比15%もの署名が集まったことは本件に対する世間の注目度の高さをうかがわせる。今回の署名に協力した東京都生活衛生同業組合連合会の団体は以下の通り;東京都鮨商生活衛生同業組合、東京都麺類生活衛生同業組合、東京都中華料理生活衛生同業組合、東京都社交飲食業生活衛生同業組合、東京都料理生活衛生同業組合、東京都飲食業生活衛生同業組合、東京都喫茶飲食生活衛生同業組合、東京都食鳥肉販売業生活衛生同業組合、東京都氷雪販売業生活衛生同業組合、東京都理容生活衛生同業組合、東京都美容生活衛生同業組合、東京都興行生活衛生同業組合、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合、東京都簡易宿泊業生活衛生同業組合、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合、東京都クリーニング生活衛生同業組合
上記協力団体を見てもらうと、今回の条例規制には直接関係ない団体がいくつも署名活動に協力したことが分かる。これは本条例案があまりにも現実味を欠き、個人の選択権利を侵害し、さらに事業者の経営権や生活を脅かす内容であることに飲食店の利用者として、さらに同じ経営者として東京都に健全な条例検討を願いたいという姿勢の表れだと見てとれる。
条例案内容が
“知られていない現実”に
さらなる啓蒙の必要性
また今回、街頭や団体加盟の飲食店のお客さまに署名をお願いする際に改めて“浮上した現実”があったと東京都飲食業生活衛生同業組合事務局長の宇都野氏は語る。「今回、とても多くの方が署名にご協力くださり大変感謝しております。その上で危惧を強めたのがあまりに皆様、条例内容についてご存じないということでした。何も分からないまま条例が作られようとしている。これは飲食店経営者においてもまだまだ同様のことが言えるのが現状です。もちろん概要については情報公開されているとはいえ、行政は決して積極的な告知はしません。ですからなんとなく聞いたことがあるという方や中には全く知らないという方も大勢いらっしゃって、お一人お一人丁寧に説明させていただいての署名活動になりました。ただ説明を聞いていただいた後は、当初署名を拒否された方やたばこを吸わない方も大勢署名してくださった。なぜなら本条例案の問題が単なる喫煙の可否ではなく、事業者それぞれの生活がかかる問題であり、特に弱者に対して救いのない条例案になっている点に共感いただいたからなのです」。この経験を踏まえ、署名活動後も条例案認知の必要性を強く感じ、たばこを吸う人も、吸わない人も、そして事業者皆がおのおのの生き方を尊重される現実味のある条例案が作られるべく啓蒙活動を継続しているという。