災害発生時のお客さまの安否確認に
活用できるツールとしても期待
野本 われわれhandy はホテルに特化したアメニティーを目指しています。今後さらに期待する機能があればご意見をいただきたいです。
清成 地震などの災害が発生した場合に、handy をお客さまの安否確認に使えたら素晴らしいと思います。外出時に思わぬ事故に遭遇してしまったお客さまのケアができるようになればとても助かります。ホテルにはお客さまの生命、財産を守る使命がありますから、その役割をhandy にサポートしてもらいたいということです。
また、大雪で千歳空港が閉鎖されたり、空港行きの鉄道が遅延するとパニックが起こります。天気予報や交通機関の現状をリアルタイムにお客さまにお伝えして、危険があればお部屋に戻っていただくよう指示を出すといった使い方にも可能性を感じます。
さらに身近なところでは、「朝食は混み合いますから、お早めにご利用ください」といった案内をhandy を通じて行なうことで、もっとお客さまに近づくことができるというイメージを持っています。私たちが館内のレストランの情報などをタイムリーにお客さまにお届けしていくことで、handy の利用率を70%、80%へと押し上げていきたいと思います。
私たちのメッセージを宿泊のお客さまにダイレクトに届けられる点がhandy の最大のメリットであり、そのためにはより多くのお客さまに使っていただく必要があります。handy を通じてお客さまに豊富な選択肢を提示して、旅行をより楽しいものにできるツールとして認知を広めていきたいと思います。
北海道のWi-Fi 環境が整うまでにはまだ時間が掛かると思いますが、インバウンドのお客さまのWi-Fi 環境に対する不満はhandy によってかなり解消することができるでしょう。東京オリンピック・パラリンピック以降、インバウンドのお客さまは団体から個人へ、さらに富裕層へとレベルが上がっていくでしょう。海外のお客さまが自国にいるのと同じように旅行を楽しめる環境を、私たちホテルも一緒になって整えていかなければなりません。
一時のブームに終わらせることなく、北海道、札幌に海外から多くのお客さまに来ていただければ、競合するホテルの数が増えようともビジネスは成立します。その意味でもホテルマーケットにおいて、handy の存在が点から線、線から面へと広がっていくことを期待します。北海道、札幌を訪れたお客さまの利便性を高め、満足度を向上できれば、途切れることなく観光マーケットは活性化していくでしょう。そのための有力なツールとして、handy はこれからも活躍してくれると信じています。
インタビュー 京王プラザホテル札幌
ホテル市場においてhandyの存在が点から線、線から面へ広がることを期待
【月刊HOTERES 2018年01月号】
2018年01月26日(金)