数多くの海外ホテル勤務を経験し、3 年前に経済成長著しいベトナムのホテル・ニッコー・ハノイに赴任した田中智総支配人。日本とは異なる国勢や経済状況の下、人種や言語も違うスタッフを率いてマネジメントに当たる田中GM にベトナムの現況をはじめ、ホテル業界に身を置く若者へのエールをいただいた。
聞き手・本誌 岩本大輝
撮影・林 正 文・アクセント
ホテル・ニッコー・ハノイ 総支配人 田中 智 氏
経済の成長やニーズの変化を
捉えてホテルマネジメント推進
❒ ハノイに赴任されて3 年ということですが、現在のホテルを取り巻くベトナムの経済状況はいかがでしょうか。
ベトナムは1986 年にドイモイ政策を宣言し、社会主義に資本主義経済を導入しました。そして95 年にASEAN、2007 年にWTO(世界貿易機構)に加盟すると一気に海外との取引が増加。さらに18 年には経済自由化を目指しています。1995 年以降は8 〜10%、2010 年代は6 〜8%の経済成長を達成しています。
これまでは、インフラを中心に欧米のビジネスモデルを持ち込んだ企業に雇用されるベトナム人が多かったのですが、今後はベトナム人の事業家も増えるでしょう。これからも飛躍的な経済成長の可能性を秘めている国だと言えます。