㈱ロイヤルパークホテル 常務取締役総支配人 笹井 高志 氏
私の小学校時代の作文に、驚くべき一文がありました。
「僕は大人になったら、機械を相手じゃなく人間を相手にする仕事をしたいです」
ホテルの重要課題は生産性の向上と労働環境の整備です。労働集約型の産業のため、ほかの業界の一人当たりの生産性とは比較にならず、サービスに対する堂々とした対価を得て、企業としても成り立たせる必要があります。労働環境も、縦割りで徒弟関係のある組織を意識改革し、お客様を前にすると時間にルーズになりがちな体質を改善しなければなりません。
これらの課題を乗り越えない限り、どんどん宿泊主体型のロボットや機械化されたホテルが増えるでしょう。小学校時代の私は、これを望んではいません。ホテルで働くことは「人」が大好きな人が行なう仕事です。
昨今、希薄な人間関係、外へ出掛けず、物を買わない時代と言われています。しかし、オリンピックや高校野球などのスポーツ大会に、たとえにわかファンであっても、人は心を動かします。そのようなシーンを見ると、人の心を動かすのは「人」であり、組織力が伝わることだと感じます。
重要課題を解決し、人の心を動かせるホテルのリーダーとは、明るく元気で、何事にも探求心があり、スタッフに目線を合わせながら組織力を大切にし、まずはお客様に向かい、背中でリーダーシップが取れる人。そんなリーダーを育てるために私は、あえて区別をし、早くから多くの経験をさせながら、人と組織と心を動かす人間力を身に付けてほしいと思っております。
㈱ロイヤルパークホテル
http://www.royalparkhotels.co.jp/