マーケティング部長 松本圭司氏
ケーススタディ
お客さま一人一人の価値観に寄り添った
ホスピタリティーを
京都ブライトンホテル
京都御所近くにある京都ブライトンホテルは京都でもいち早く分煙環境の整
備に着手したホテルの一つだ。今回は喫煙室設置10 年を迎えた当ホテルの分煙
対策についてマーケティング部長、松本圭司氏にお話を伺った。
多様化するお客さまの
価値観と共に
京都ブライトンホテル1 階に設置されている喫煙室は2006 年に開設され、今年で10 年を迎える。京都でもいち早く喫煙室を設置し、分煙環境整備を手掛けた。たばこを吸うお客さま、吸わないお客さまの両者の価値観を大切にしたいという思いから客室を全室禁煙とした際に、それまでパソコンルームとして利用していたスペースを喫煙室にコンバージョンした。広さ約26㎡と大きな喫煙室であり、ロビーに隣接する場所にあることから喫煙室から出る臭いには特に気を使い、汚れの付きにくいクロスを使用し、換気も国の規定以上の環境を実現できる風量を担保した。この10 年間、メンテナンスはクロスの張り替えを一度したのみで後は日々の清掃のみだというが、10 年の月日がたったとは思えないほどクリーンで臭いも感じない快適な環境が維持されている。室内にはたばこの自動販売機も設置され、たばこを吸うお客さまが心地よく過ごせる気遣いもみられる。
広々とした喫煙室。非常に開放感があり、かつプライベート空間を確保できる場所もある
ラウンジからほど近い場所にある喫煙室。しかしたばこの臭いなどはまったくしない仕様になっており、たばこを吸わないお客さまも快適に過ごせるようになっている
分煙環境の整備はホスピタリティー
当ホテルではメインの喫煙室のほか、車寄せの一角に灰皿を設置した外部の喫煙スペースと宴会場に関してはお客さまの希望に応じて喫煙を可能とする対応を取り、喫煙環境の提供をしている。これは多様化するお客さまの意向に可能なかぎり、一つ一つ丁寧に対応したいという当ホテルのスタンスが表れているサービスであり、分煙環境を整備することはお客さまへのホスピタリティーを表す形として大切な要素だと考えているからだ。客室が全室禁煙となった当初は多少、戸惑いを見せられたお客さまもあったというが、お客さまの理解を得られるサービストークを工夫するなどコミュニケーションをきちんと取る努力をするなどした結果、現在の分煙環境となってから今日まで喫煙に関するお客さまのクレームはほとんどないということだ。
インバウンドで来日される
お客さまも喫煙室を利用
昨今では時流の流れもあり、お客さまの分煙に対する理解がすすみ、お客さまから喫煙室の場所を聞かれることも多くなったという。インバウンド観光客の多い京都の例にもれず、当ホテルも外国人観光客による利用が多いが、外でたばこを吸う習慣が根付いている欧米からのお客さまも多く喫煙室を利用されるという。今後の展開としては宴会場専用の喫煙室の設置なども課題としてあるという当ホテルの今後が楽しみだ。
京都ブライトンホテル
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/