生涯の中で大切なドラマを記録したり、ゲストに自分たちの歴史を伝えるために欠かせないウエディング映像。単なる生い立ち紹介や記録映像に終わらない映像編集やDVD 制作に取り組んでいるのが㈱エスティビジョンだ。外資系ラグジュアリーホテルともタッグを組み、クオリティーの高い映像を作り出している。指揮する西川洋人社長に技術者の育成、ホテルとのかかわり方などをお聞きした。
ライブ・イベントPAで得た演出の醍醐味
福永 西川社長はウエディングに欠かせない演出の一つとなったエンドロールなどの映像編集やDVD 制作をされていますが、個々の技術や感性が異なる人材を指揮する上で大切にしていることや指導方法などをお伺いできればと思います。まず始めにそもそも起業されたきっかけをお聞かせいただけますでしょうか?
西川 婚礼司会を手掛けているハセガワエスティが求めている司会・音響・照明・映像・プロデュースが一体化したウエディングを求めている中で、映像編集としてかかわったことがきっかけです。2009 年にハセガワエスティグループの一社として独立をいたしました。今は外資系ラグジュアリーホテルと提携し、お客さまのご要望に応じた映像を作り上げています。
福永 西川社長はずっと映像にかかわってこられてきたのですか。
西川 私はもともとライブ・イベントのPA エンジニアでした。ライブステージはさまざまな分野のプロフェッショナルが集まり、一つのステージを作り上げています。どのような演出をするのか、どのようなライブにしたいのかなど、出演者と舞台監督と打ち合わせを行ない、何もないホールに音響機材や照明機材、大道具などを仕込みます。限られた時間と予算の中で出演者はもちろんのこと、来場されたオーディエンスにご満足いただくために、すべてのセクションと協調した共同作業を行なっていました。このときPA エンジニアとして空間を演出する楽しさや難しさ、よころび、達成感を学びました。
福永 規模は異なりますがまさにウエディングと同じですね。ワンパターンなスタイルで通用した時代から多様化したニーズに対応しなくてはご満足いただけない中、ウエディングプランナーはもちろんのこと、当日かかわる音響や照明、映像、そして司会に求められる技術的な側面や感性にかかわる部分までますます高度化しています。
西川 ライブステージと言っても何千人規模のものばかりではなく、数10 人規模もあります。ウエディングと多少ちがうのは毎回ちがう場所や空間であることです。その場所・空間でいかに自分のやり方で自分の音を出せるかを常に考えながら、準備の段階から当日まで取り組んでいかなければならないことです。
福永 ウエディングも公園やライブハウスなどさまざまなステージを求める要望が高まっています。まさにライブ・イベント化しています。もちろん、すべてがこのようなスタイルに変わるわけではありませんが、顧客満足を高めるためには、益々さまざまな提案や柔軟性が求められます。