一般社団法人全日本ホテル連盟
会長
清水 嗣能 氏
業界のイメージアップと人材確保
コロナ禍を経て、宿泊業界のみならず全国的に未曾有の人手不足の時代を迎えています。その問題解決に向けてDXによる省人化や、外国人材の採用も進んでいる一方、われわれ宿泊業界が抱える宿命として週末や連休、お盆正月等が忙しく、朝早く、夜遅いなどのシフト勤務があることなど、一般的な会社と比べて人材を募集する上で選ばれにくいような事情が存在します。
当連盟ではこのような状況を改善するため、ホテル産業フォーラムを開催し、ホテル業界の魅力と働き甲斐の向上に取り組んでおります。その中で、私はわれわれホテル従業員の本当の仕事は何かと問うた場合、「人は良い思い出が多ければ多いほど幸せであり、その良い思い出づくりのお手伝いをすること、すなわち人を幸せにすることが私たちの本当の仕事である」と伝えています。
業界のイメージアップと人材確保のためには、やり甲斐を感じる職業であることを分かりやすく伝えること、他業種と比べてもより良い雇用条件を提示していくことが、ホテル経営者としてのミッションであると考えます。
私自身、宿泊業界と自社の魅力を伝えるため、『脱皮しない蛇は滅びる 独立系ホテル経営者に贈る言葉』として今春、自叙伝的ホテルビジネス書を刊行する予定です。
新年を迎えるに当たり、われわれ全日本ホテル連盟では、観光立国の実現と地域の発展を目指すという宿泊業界団体としてのミッションを再確認し、当連盟の存在意義の確立に取り組んでまいります。