JRホテルグループが主催する「第20回JRホテルグループ料理コンテスト」が8月29日、大和学園京都調理師専門学校(京都府京都市)にて実技試験を、講評会および表彰式をホテルグランヴィア京都(京都府京都市)3階宴会場「源氏の間」にて開催した。
同コンテストは同社グループ88ホテルの若手シェフの育成を目的に取り行われるもので、「指定された主材料と副材料を使ったオリジナル西洋料理(温製)」を題とし、グループホテル内の40歳以下および出場回数通算3回までの若手シェフが対象となる。
今回、各エリアの代表に選出された16名のシェフが同コンテストに挑み、開催2カ月前に通知された主材料「平目と能登棚米コシヒカリ」のテーマをもとに腕を競いあった。
調理時間は2時間、審査は「味」「独創性・アイデア」「盛り付け」「素材の活かし方」「料理の完成度」を項目とした試食審査と、「調理技術」「作業の進め方」「経済効率」「盛り付け」「衛生知識」からなる技術審査の総合得点により順位を決定。
表彰式でははじめに同グループ 会長の三林 宏幸氏より「16名の料理のすべてに工夫が凝らされており魅力的に感じました。コンテストは2003年からスタートしましたが、さまざまな刺激を受ける場でありますのでこの機会を糧にして、お客様の笑顔を引き出すような素晴らしい料理をこれからも提供していっていただきたい」と挨拶。
続いて、ゴブラン会 会長の中村 勝宏氏、日本エスコフィエ協会 名誉理事の大溝 隆夫氏、フランスレストラン文化振興協会 会長の大沢 晴美氏らが総評をコメントし選手らに激励を発した。
優勝はホテルメトロポリタン仙台 調理統括G洋食の佐藤 友美氏。作品名は「平目と海老のムース仕立て シードル風味のヴァンブランソース 香草の香りを纏わせて」。
佐藤氏は同コンクールへの参加は3度目であり、参加条件における最後の挑戦で優勝の快挙をつかみ取った。「社内予選を何とか勝ち抜いて参加することができ、冷凍の平目が主題でしたので平目の火入れなど素材の活かし方をこだわりました。先輩方よりたくさんのご意見をいただけたこともあり優勝を勝ち取ることができ本当に嬉しく思います。この経験を後輩や新入社員に伝え、より良い料理人となるよう育てたいと思います」と今後の展望を述べる。
準優勝はホテルメトロポリタンエドモント 調理部西洋料理科の清水 滉大氏。作品名は「ヒラメのコンフィからすみの香りとヒラメのブランダード風ムース ソースブールブラン」。
清水氏は「2年前に初めて参加し、今回2回目の挑戦となりました。平目という淡白なものに対し、手をかけすぎずに手をかける、ということにこだわりました。主役の平目に対してほかの食材も強すぎず、しかし優しすぎない、とこの絶妙なラインを意識して表現しました。今後も美味しい料理をつくることができる料理人になることを目指します」と意気込みを語る。
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文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp