今回は秋田県の県庁所在地、秋田市を取り上げる。同市は県内の行政、商業などの中心として栄えてきた。秋田県には豊かな自然や独特な地域文化、古い街並みの風情が残り、観光地としても人気がある。その一方で、東北の中でも高齢化の進展が深刻である。以下に秋田市のマーケットと秋田県の観光マーケットをみていこう。
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1.マーケットポテンシャル
秋田市は中核市であり、人口は 30万0470人(2023年 1月 1日現在)で、秋田県全体の 31.9%のシェアを占めている。県内において最も多い人口を有する都市である。その他の県内主要都市を見ると、秋田市以外で人口 10万人以上の都市がなく、秋田市への一極集中状態である。その中で、横手市が 8万 4294人、大仙市が 7万 6537人、由利本荘市が 7万 2753人、大館市が 6万 8083人で、秋田市を含むこの 5都市が人口 5万人以上の都市となっている。それ以外の都市はおおむね 2~ 4万人台となっている。(図表1) 過去 5年間の増加率(23年/ 18年)を見ると、秋田市は▲ 3.8%と減少トレンドになっている。その他の県内主要都市を見ると、全て減少トレンドをなっており、秋田市と潟上市の▲ 4.1%以外は▲7%以上と減少幅が大きくなっている。
秋田市の年齢構造を見ると、若年人口比率は 15.2%、適齢期人口比率は 18.5%で、若年人口比率、適齢期人口比率共に全国値(16.7%、20.9%)を下回っている。県平均値(13.6%、15.6%)は上回っているが、県平均自体低いレベルと言える。その他の県内主要都市を見ると、全ての都市で若年人口比率、適齢期人口比率を下回っていることがわかる。(図表2)
高齢者比率を見ると、秋田市は31.8%であり、全国値(28.7%)をやや上回っている。県内主要都市全てにおいて全国値を上回っており、比率も30%後半以上と高く、中には半数近くにまで及んでいる主要都市も見られる。県全体として深刻な高齢化が進展していることがわかる。 将来推計人口をみると秋田市はすでに減少フェーズに突入しており、2045年ごろには 2015年ベースから 28%程度減少すると推計されている。その他の県内主要都市を見ると、秋田市と同様すでに減少トレンドに突入しており、将来的に 2015年ベースの 40%~ 60%程度になると予測される。将来的にも秋田市が県内で最も多い人口を有することは変わらず、秋田県内のマーケットにおいて一極集中の状態は維持される。(図表3)
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2024年7月号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《秋田市編》
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【月刊HOTERES 2024年07月号】
2024年07月12日(金)