東急ホテルズ&リゾーツ㈱は、「第22回東急ホテルズ料理コンテスト」決勝大会を 2 月 9 日、吉祥寺エクセルホテル東急にて開催した。全国34店舗がエントリーし予選を勝ち抜いたファイナリスト 8 名が決勝大会に挑んだ。
同社では、調理技術・サービス技能の継承とレベルアップを主な目的とした「東急ホテルズ 料理コンテスト」を毎年実施。今回の課題は、国産「みやぎサーモン」をメイン素材(仕入先指定)にすることと、SDGs の要素を調理工程に一つ以上含むことが課せられた。決勝では、選手があらかじめ調理して仕込んだ状態(衛生管理に準じたケータリングの要件をクリアした)で会場に持ち込み、制限時間内に仕上げとデクパージュを行なう流れを審査した。調理終了後には、各選手が料理コンセプトなどを説明するプレゼン力のほか、実食後に審査員からの質疑に応答するまでが審査対象となった。
代表取締役社長の村井淳氏はコンテストの目的について、「調理技術・サービス技能の継承とレベルアップを図る機会の創出が、〝食の東急ホテルズ〟を標榜するにふさわしいブランド力の向上につながると考えている。またコンテストを機に、店舗内の集中的育成による技術・技能の継承活動が活性化され、短時間で手際よく調理・サービスを行なうスキルや商品プレゼン力のレベルアップも期待できる。 調理・サービスの連携強化による顧客満足度の高い食空間を創造することは、東急ホテルズの食に従事することへの憧憬と誇りの醸成の実現でもある。加えて、企業価値を高める食のサステナビリティ推進と国産食材の支援を担うことも本企画の意義」という。
対象全34店舗を4グループに区分けし、ぞれぞれの基幹店舗がマザー店舗となって決勝までの道筋をアシストする。個店単位ではないこうしたスタイルにおいても、同社全店舗での底上げを目指している視点がうかがえる。
参加資格はすべてのジャンルの料理人とサービススタッフで、ジャンルはフランス料理、日本料理、中国料理のほか、料飲・食堂のサービス担当、雇用形態も正社員に限らず全員がエントリーできるのも珍しい。今回は、各店舗より2名(調理1名、サービス1名)で挑んだ。
左より、村井淳代表取締役社長。審査員特別賞の渋谷エクセルホテル東急(大熊氏、吉川氏)、グランプリのセルリアンタワー東急ホテル(池田氏、熊谷 氏)、準グランプリの新大阪江坂東急 REI ホテル(上船氏、北原氏)、審査員特別賞のTHE HOTEL HIGASHIYAMA by Kyoto Tokyu Hotel(勝見氏、毎熊氏)
「第22回東急ホテルズ料理コンテスト」のグランプリは、セルリアンタワー東急ホテル(選手:池田 喬氏、サービススタッフ:熊谷 久美子氏)、準グランプリは、新大阪江坂東急 REI ホテル(選手:上船 麻依氏、サービススタッフ:北原 茂氏)、審査員特別賞は2施設で、渋谷エクセルホテル東急(選手:大熊 瞬氏、サービススタッフ:吉川 加奈子氏)、THE HOTEL HIGASHIYAMA by Kyoto Tokyu Hotel(選手:勝見 翔氏、サービススタッフ:毎熊 澪氏)だった。
村井社長は「同じテーマの中から個性あふれるさまざまな料理が生まれたこととはもちろん、選手全員が職場のスタッフへの感謝の言葉を口にしていたのが印象的で、思いやりの精神が根付いていることをうれしく思いました。年々大会のレベルは進化していますので、成長をアシストする機会としてこれからも推進していきたいと思います」と講評を述べた。
【コンテスト概要】
課題:メイン素材は国産「みやぎサーモン」。仕込み済みを持ち込み、その場で仕上げるオリジナリティあふれる料理を創作する。料理のジャンル、副材、調理法は自由。食品ロス対策などSDGsの要素を調理工程に一つ以上含める。
食材原価:一人前 800円以内 。
審査内容:味、見た目、サーブのときの演出、コストパフォーマンス、料理のテーマ、ネーミング。ほか調理時の時間や作業手順も含まれる。
課題食材「みやぎサーモン」選定の経緯: 養殖だが水揚直後に処理をしているため新鮮。フィレの状態で真空パックし冷凍保存するためアニサキス等の心配も無い。
作成数:5人前(ただし決勝は審査員6名の想定で、3人前をデクパージュで二等分し審査員へサーブする)。
ペルソナ設定:どんな人物像のゲストに、どんなシチュエーションで召し上がっていただきたいのか、 ストーリーを設定する。