アクア(株)が展開する「AQUA」ブランドの小型コイン式全自動洗濯機とコイン式電気衣類乾燥機は、ホテルや旅館でも採用されている。急速に普及するキャッシュレス決済をホテルのランドリー室のような小規模スペースで実現するため、アクアは既存の機器に後付けできる「キャッシュレスキット」と、多言語対応のキャッシュレス決済アプリ「AQ-Connectランドリー」を開発。ホテルの負担を減らし、お客さまの快適さを高める仕組みとして注目される。
アクア(株)業務用洗濯機事業本部イノベーショングループ マネージャー 箕田 宏氏
洗濯機器のキャッシュレス化で人手不足の解消やユーザビリティーの向上を推進する
三洋電機の一部事業を継承し、2012年1月に設立されたアクア(株)は、ハイアールグループの日本法人として業務用洗濯機や家庭用洗濯機、冷蔵庫、掃除機など、「AQUA」ブランドの商品やサービスの企画・開発・販売を行っている。コインランドリーや施設に向けて展開している業務用洗濯機器は、アクア調べで機器出荷台数シェア約70%と、同機器のカテゴリーでナンバーワンとなっている。また AQUAの小型コイン式洗濯機器は、全国のホテルや旅館で採用されている。
2023年5月 18日、アクアは主に宿泊施設に導入されている「AQUA小型コイン式全自動洗濯機」と「AQUAコイン式電気衣類乾燥機」に基板を取り付けるだけでキャッシュレス化ができる、回線工事・電気工事不要の「キャッシュレスキット」と、多言語対応のキャッシュレス決済アプリ「AQ-Connect ランドリー」をリリースした。
ユーザーはスマートフォンに AQ Connectランドリーのアプリをインストールし、洗濯機器に表示されているQRコードを読み取るだけで、手軽にキャッシュレス決済ができる。さらに領収書の発行や洗濯完了までの残り時間(目安)の確認もできる。日本語、英語、中国語 (簡体 )、韓国語、ウクライナ語、スペイン語、ポルトガル語の7言語による表示に対応し、クレジットカードでの決済もできることから、訪日外国人にとってもランドリーを利用しやすくなるツールとして役立つことができる。
ホテル業界において大きな問題となっている人手不足の解消にもつなげることができ、ユーザビリティーを向上させることでランドリー利用の促進も期待できる。
アクアでは 2005年から、ランドリーをインターネットでつないだ「ITランドリー」を開発し、洗濯機器の稼働状況を可視化する取り組みを推進してきた。2017年には自社サーバからクラウドに切り替えて、「Cloud IoTランドリー」に名称変更。インターネットを通じて、遠隔で機械を制御するなど機能の拡張を追求した。