2023年5月13日(土)と14日(日)、コロナ禍で開催が中止されていた「東京 インターナショナル バーショー」が4年ぶりに開催された。
会場となった東京ドームシティ・プリズムホールには多くの業界関係者や酒類愛好家が訪れた。久々の開催ということもあってか、出展企業数は過去最多となった。
コロナ禍を経て、新しい時代の幕開けを示す「The New Flow Begins!」が今回のサブタイトルであり、ウィスキーを含むスピリッツ分野で著名なDave Broom氏に加え、海外ゲストにスローイングの名手であるAdal Márquez氏がスペシャルゲストとして来日。マスタークラスを含む多くのプログラムを務め、会場を盛り上げた。また、IBAフレア・ジャパンファイナル 2023と第8回 なでしこカップも開催され、出場選手がそれぞれの技量を競い合った。
メインステージは、日本を代表するウイスキーブレンダー5名によるトークセッションで幕を開けた。「ウイスキー技術者交流会」を通じて普段から交流のある5社のブレンダーによる夢のような企画だ。
出演者:キリンビール株式会社 マスターブレンダー 田中 城太氏、サントリー株式会社 チーフブレンダー 福與 伸二氏、ニッカウヰスキー株式会社 チーフブレンダー 尾崎 裕美氏、株式会社ベンチャーウイスキー マスターブレンダー 肥土 伊知郎氏、本坊酒造株式会社 チーフブレンダー 久内 一氏
カクテル作成技術「スローイング」で世界的に有名なバー、バルセロナ「BOADAS」のヘッドバーテンダーを長年務めたアダル・マルケス氏は、スローイングの歴史を振り返りながら、実演を交えながらその技術を惜しみなく披露してくれた。
ジャパニーズ・ウイスキーにも造詣の深いデイブ・ブルーム氏は、ジャパニーズ・ウイスキーの定義というレギュレーションについて、キリンビール株式会社 マスターブレンダー 田中 城太氏と株式会社ベンチャーウイスキー マスターブレンダー 肥土 伊知郎氏と共にディスカッションを行った。
初日の13日(土)には、IBAフレア・ジャパンファイナル 2023が開催された。ファイナル出場の3名のパフォーマンスは会場を大きな興奮で包んだ。また、会場内ではマスタークラスも開催され、満席の賑わいを見せていた。
開催2日目となる14日(日)には、2013年より開催され、今回で第8回目となる「なでしこカップ」がメインステージで行われた。国産ジンをベースに、国産フルーツまたは国産野菜を使用したカクテルというお題目の中、それぞれの技量を競い合った。
コロナ禍で大きく打撃を受けたバー業界だけに、久々の開催は盛況を博した。今回は久々の開催ということもあり、出展者数も過去最大とのアナウンスがあった。今後同様の規模であれば、もう少し大きな会場を検討する必要があるかも知れない。また、展示会という性質上致し方ないところはあるが、プラスチックのごみも業界として検討していく必要もあるように感じた。
来場者は今回のサブテーマである「The New Flow Begins!」を現場で感じ取れる機会が多くあったように感じる。今後も、日本市場だけでなく、日本市場からの新しい流行が世界へと広がることを期待したい。
担当:小川