ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • 「働きがいのあるグローバル企業」として世界第二位を獲得 夢やスキルアップを求めて出場するチームメンバーを ホテル全体で支援するカルチャーを構築する「F&Bマスターズ」
ヒルトン 「働きがいのあるグローバル企業」として世界第二位を獲得

夢やスキルアップを求めて出場するチームメンバーを ホテル全体で支援するカルチャーを構築する「F&Bマスターズ」

2023年03月10日(金)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「働きがいのあるグローバル企業 世界ランキングベスト 25」
において7年連続で選出

 
 ホテル業界全体での人材不足が深刻化する中、企業はホテルで働くやりがい、成長環境、働きやすさなど、さまざまなものを提供することで企業としての魅力を高め、優秀な人材を採用し、モチベーション高く働き続けられる環境づくりは必須と言えよう。
 
 そのような中で、ヒルトンは「2022年版 働きがいのあるグローバル企業 世界ランキングベスト 25」において世界のあらゆる業種も含めたランキングの中で2位を獲得。そして、同社はこのランキングに7年連続で選出をされている。
 
 それを実現するためにヒルトンではさまざまな取り組みが行なわれているが、その中でもユニークな取り組みの一つがヒルトン(日本・韓国・ミクロネシア地区)がコロナ禍での中止を除き2015年より開催している「F&Bマスターズ」だ。
 

「F&Bマスターズ」の各部門最優秀賞受賞者たち
「F&Bマスターズ」の各部門最優秀賞受賞者たち

 
日本・韓国から78名のマスターズ(達人)が集結
 
 「F&Bマスターズ」は新たな才能の発掘と人材育成を目的とし、所属部署を問わず全スタッフ(総料理長、料理長、ペイストリーシェフなど一部を除く)が参加できる料理・飲料の知識、技術と創造性を競う大会。部門は「菓子」、「料理」、「バリスタ」、「ソムリエ」、「バー」、「フォト」の計6部門からなり、2022年大会は日本と韓国の16ホテルから各ホテルでの予選大会を勝ち抜いた78名のマスターズ(達人)たちが技を競い合った。

 
 なお、この大会でユニークなのは参加資格が料飲部門のチームメンバー(従業員スタッフ)だけでなく、宿泊部門、管理部門などどの部門からの参加も可能な点だ。これによってそれまでは隠れていた才能が発見されることもある。実際、過去には中国で実施された「F&Bマスターズ」出場をしたリージョナルの人事スタッフが料理部門で優勝し、その後シェフに転身をしたという話など、複数の事例がある。


華やかな雰囲気の中で繰り広げられる
緊張感のあるコンペティション

 
 技術を競い合う大会というと、その会場風景は非常に緊張した雰囲気ではないかと想像してしまうものだが、このF&Bマスターズは違う。出場ホテルから総支配人など多くの幹部と同時に、出場者の同僚のチームメンバーも応援に駆けつけるなどし、多くの人が各競技を見るために行き交い、出場者には絶えず声援や拍手が送られており、その雰囲気はさながらパーティーが行なわれているかのようだ。こうした垢抜けた雰囲気はさすが外資系のヒルトンといったところか。

 一方、ヒルトンの各ホテルの代表者が競い合う大会だけに審査は厳正に行なわれる。ゲスト審査員として、料理部門ではフロリレージュの川手寛康氏、菓子部門でパティスリー・サダハル・アオキ・パリの青木定治氏やチョコレート・ジャーナリストの市川歩美氏をはじめ、各部門に精通する専門家を招聘。各審査では完成品のプレゼンテーションはもちろん、各プロセス、さらにその後の質疑応答などが交わされ、出場者たちの顔は笑顔ながらも緊張が見て取れる。
 

料理部門では調理プロセスも審査員によって細かに審査される
料理部門では調理プロセスも審査員によって細かに審査される

菓子部門のプレゼンテーションでは審査員からの鋭い質問も
菓子部門のプレゼンテーションでは審査員からの鋭い質問も


F&Bマスターズを通じて生まれるチームワーク
 
 そして審査終了後には出場者のさまざまな表情が見られた。緊張を感じながらもトレーニングの成果を発揮でき応援にきた仲間たちと喜びを分かち合う出場者。一方で、緊張で思うようにパフォーマンスを発揮できなかったのか、審査終了後に涙をする出場者と、一緒に出場までサポートしてきた上司や同僚たちがそれを励ます姿も。それでもここまで仲間たちと共に努力をしてきた事実は変わらないし、その悔しさは間違いなく彼・彼女の今後につながるだろう。
 
 今回のF&Bマスターズの出場者は78名であったが、その過程においては各ホテル・各部門の立候補者から代表者を選定するプロセス、そして代表者が決まった後はホテル全体でそのスタッフをサポートするプロセスがある。そして、大会では喜びや悔しさを共有する。こうしたプロセスが、各ホテル、そして各ホテルの部門のチームワークを強固にしているのだと、現地を見て強く感じられた。
 
 実際、ヒルトンの日本・韓国・ミクロネシア地区 人事統括本部 上席統括本部長であるジェイコブス・テリィ氏も次のように語っている。
 
「ヒルトンではコロナ禍でも人材開発への投資、ウェルビーイング、アワードやレコグニッション、福利厚生など支援を続けており、『F&Bマスターズ』もその一環です。各ホテルでの予選が行われますが、夢やスキルアップを求めて出場するチームメンバーをホテル全体で支援する、そういったカルチャーを作ることが重要で、ホテルにとっては新たな能力開発にもなります」。
 
結果発表はガラディナーで華やかに
 
 すべての審査が終了し、審査結果の発表は宴会場において華々しくガラディナー形式で行なわれる。各ホテルの幹部や出場者たちが円卓を囲み、ディナーやミュージシャンによるエンターテインメントを楽しみながらその日を振り返り合う。
 そして、最後に行なわれる審査結果の発表はこのF&Bマスターズのもう一つの見どころ。上位入賞者の名前が呼ばれるたびに、出場ホテルの関係者が代表者を大いにねぎらい、盛り上がる。
 

審査結果の発表は宴会場において華々しくガラディナー形式で行なわれる
審査結果の発表は宴会場において華々しくガラディナー形式で行なわれる

入賞者を撮影するチームメンバーたち
入賞者を撮影するチームメンバーたち


世界トップクラスの企業が継続する努力
 
 ヒルトンではF&Bマスターズのような大規模なイベントから、各ホテルで取り組む清掃活動や児童家庭福祉施設でのボランティア活動、さまざまな社内環境の整備まで、大小さまざまな取り組みを行なっている。こうした取り組みの一つひとつが企業としての文化を醸成し、「働きがいのあるグローバル企業 世界ランキングベスト 25」に7年連続で選出されるなど、確かな成果を生み出している。
 
 冒頭の通り、ホテル業界全体での人材不足が深刻化する中、企業はホテルで働くやりがい、成長環境、働きやすさなど、さまざまなものを提供することで企業としての魅力を高め、優秀な人材を採用し、モチベーション高く働き続けられる環境づくりは必須だ。業界の人材不足は今現在も深刻な状況だが、マクロで見れば今後もさらにその深刻さは増していくことが予想される。その中で、人的部分へのさまざまな面からの投資ができるかどうかは、今後の人材市場において大きな差となって表れていくだろう。
 

月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2024年11月15日号
2024年11月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】本誌独自調査 総売上高から見た日本のベスト100ホテル
【TOP RUNNER】
フォーシーズンズホテル大阪 総支配人 アレスター・マカルパイ…

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE