単価アップのキーポイント自家源泉の湯めぐり
----リブランドオープンから約 1カ月で、入国規制の緩和や全国旅行支援キャンペーンが実施されました。その後の営業状況をお聞かせ下さい。
年内の目標として、ADR約 6.9万円、稼働率約 70%を掲げていました。国内OTAは「一休.com」「Relux」「楽天トラベル」と契約していますが、ちょうどリニューアルオープンから 1カ月後の 10月ごろに認知度が上がり始め、そこに全国旅行支援が開始になったことも追い風になり、11~12月は稼働 70%、ADRも約 7万 5000円で目標を達成できました。またインバウンドについては、もともと10%に満たない実績でしたので過度な期待はしておりませんでしたが、入国規制緩和と同時に海外からのお問合せや予約が増え、さらにご利用いただいたお客さまの自発的な SNS発信による効果もあり、年内のインバウンド率は 12%と予想以上の着地となりました。
2023年のインバウンドの予約状況は 3月までで約 20%の見込みです。国、グループ構成などで旅の目的やお好みが異なりますので、コミュニケーションを取りながらお客さまのご要望にお応えし、満喫した日本での滞在をご提供していきたいと思っています。
----リブランドにより、単価の引き上げに踏み切りました。設備以外で新たに注力していることはありますか。
物理的には客室m2数が倍になったことは確かですが、同時に付加価値を見出し訴求しています。例えば、4種の貸切風呂のうち、客室棟 1階「川音(かわと)の湯」はインフィニティスタイルの浴槽内で深湯と寝湯を両方楽しめる構造で、山の斜面の景色と一体感を味わえます。温泉棟3階「静寂(しじま)の湯」は上階まで吹き抜けとなっている空間を生かした静寂さが楽しめます。温泉棟 4階の「水面(みなも)の湯」は車いすの方でもご利用できるほか、「明灯(あかり)の湯」は床面に光ファイバーを埋め込んだ幻想的な空間です。いずれも自家源泉で、ご滞在時の利用はもちろん、全種類制覇のための連泊や再宿泊を誘うフックになると考えています。
接客については、かしこまったマニュアルトークではなく、ていねいに、温かみのあるサービスをしっかり行なうことが大切であり、それこそ「はつはな」らしさということを共通認識しています。新コンセプトでもある「心と五感が満ちる静かなとき」を体現するにはどのようにすればよいか、常にアップデイトしていきます。