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2022年12月2日号 全国縦断マーケット調査 大分県

全国縦断マーケット調査 大分県

【月刊HOTERES 2022年12月号】
2022年12月01日(木)
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中津市・耶馬渓

 大分県は温泉観光が中心になっているが、そのほかにも名所は多い。全国的に知られるところとしては、中津市の耶馬渓がある。中津市を流れる山国川の上・中流域及び支流域を中心とした渓谷の風景である。巨大な岩からなるこの風景は日本三大奇勝と言われ、群馬県の妙義山、香川県の寒かんかけい霞渓と並び称される。これは古代の新生代四紀の火山活動による凝灰岩や凝灰角礫岩、溶岩台地の侵食によってできた奇岩の絶景である。1818年には頼山陽がこの地を訪れて「耶馬渓天下無」と漢詩に詠んだことから名前が付けられた。この景色は大正年間は日本新三景として、陸前の松島、安芸の宮島と並び称された。そして、秋の風景としては、群馬県の日光、京都の嵐山とともに「日本三大紅葉」にも選ばれている。また、文学的には、菊池寛の「恩讐の彼方に」の作品の中でこの耶馬渓を舞台に和尚がノミ1 本でトンネルを掘るという壮絶な物語を描いて全国に知られた。

人口当たり工業出荷10 位

 大分県の面積は6340.7㎢で全国22 位と、群馬県より小さく、山口県より大きい。人口は114.2 万人で全国33 位。石川県より大きく、岩手県より小さい。年齢構成をみると、14 歳以下の幼年人口は12.0%、15 ~ 64 歳の生産年齢人口は54.6%、65 歳以上の老年人口は33.3%で、全国と比較すると高齢化が進んでいる。県民分配所得は3.1 兆円で全国36 位。一人当たり所得は271.4 万円であり、全国で北海道に次いで35 位となっている。産業別構成比をみると、第1 次産業は2.1%、第2次産業は31.9%、第3 次産業は66.0%で、全国平均と比べると第2 次産業比率が高い。工業出荷額は4.3 兆円で全国26 位、人口当たりは373.4 万円で全国10 位となっている。

ホテル客室数は停滞

 飲食店数は14 年で5749 店。内訳をみると、食堂・レストランが643 店で11.2%、専門料理店が1490 店で25.9%を占める。その中で多いのは中華料理店の417 店で7.3%を占める。
ついで日本料理店が406 店の7.1%と続いている。そのほか、すし店が171 店(3.0%)、そば・うどん店が235 店(4.1%)となっている。また遊興飲食店のバー・キャバレー・ナイトクラブは1391 店(24.2%)、酒場・ビアホールは1086 店(18.9%)と多く、両者で43.1%を占める。以上のほか喫茶店は493 店(8.6%)、ハンバーガーなどその他の飲食店は224 店(3.9%)である。09 年調査から飲食店が分離された「持ち帰り・配達・飲食サービス業」は736 店である。ホテル・旅館の施設数は19 年で1025 軒、客室数は2 万4093 室で、2010 年からの伸び率をみると、施設数は全国の▲ 10.4%に対して当県は▲22.9%、客室数は全国の10.9%に対して当県は▲ 7.5%の伸びで、ともに平均を下回っている。

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