レベニューマネジメントシステムをグローバルで提供するIDeaSレベニューソリューションズは、ホテルのレベニューマネジメントに対して膨大なデータを収集、分析して正しい料金設定をするためにはシステムを活用した自動化の必要性を提言している。
本稿では同社アジア太平洋地域マネージングディレクターのユルゲン・オルテリー氏による特別寄稿を紹介する。
IDeaS レベニューソリューションズ
アジア太平洋地域マネージングディレクター
ユルゲン・オルテリー氏
日本国内の宿泊施設において、年間で約500万件の宿泊料金の決定が行われています。料金を正しく決めるためには、膨大な量のデータを収集、分析するビジネスインテリジェンス(BI)と機械学習により自動化されたシステムが必要です。それらのシステムなしでは、日々の料金設定を正しく完璧に行うのは、不可能です。適正な料金を設定することにより、予約を向上させ、それにより収益機会を最大化し、コロナ禍から売上を素早く回復するためにも、最新テクノロジーの活用は重要と言えます。
ホテル業界におけるBIと自動化の必要性
従来のレベニューマネージメント手法では、ホテルは過去の予約履歴と現在の販売状況を元に、今後の需要を予測していました。需要が高い繁忙期には料金を引き上げ、低い閑散期には料金を割引くことで、双方のシナリオの中で最良の収益を得ることが出来ていました。しかしコロナ禍により状況は一変し、需要予測、在庫管理、そして料金設定は従来のような単純で分かりやすいものではなくなりました。
予測な困難な環境下で、全く異なるホテルシステムから複数のデータシートを手動で収集し、スプレッドシート(EXCEL)を使ってデータを照合し分析を行うことは、手間がかかるだけでなく、ミスや機会損失につながる可能性が非常に高くなります。
また収集すべきデータの量が増え、より詳細な分析が求められるようになると、レポートの作成にも一層、時間と手間がかかるようになります。その結果、レベニューマネージメントの最も重要な業務である料金設定にかける時間が削られてしまいます。
近年、人口知能(AI)によるデータ分析手法は、ますます高度で正確になっています。AIは反復的な作業を人の代わりに引き受けるので、最も重要な料金設定の根拠となる分析結果を提示することが可能です。
ホテル経営者にとってレベニューマネージメントシステム(RMS)のメリットとは
最新のレベニューマネージメントシステムは、ホテル経営者にとってトップライン(売上)とボトムライン(純利益)の両方に大きな変化をもたらします。RMSは一連のアルゴリズムにより、ホテルのパフォーマンスと市場の需要を自動的に分析、評価し、それに応じた適正な料金を提案します。
RMSの使用目的は、経営者の皆様がBIで可視化されたデータをもとに、市場での競争力を高める施策を立てるため、またリスクを回避するために必要な数値を把握するにあります。RMSは市場の変化に応じた価格、料金を提案するだけではなく、競合施設の料金設定の状況や実際にお客様が自施設に対して支払ってもよい金額についても把握することを可能にします。競合施設の同タイプの部屋の料金設定と、それが自施設の料金設定にどのような影響を与えるのかを科学的に分析、モニタリングし、競合施設が価格設定を変更した場合に、どの程度積極的に(あるいは消極的に)対応すべきかを判断し、提案します。
これはホテルの収益性を実現し、成長させるために不可欠な作業と言えます。
データを活用するには自動化が重要
現在、ホテルの業務に活用出来るデータは豊富にあり、ほぼすべての業務上の意思決定はデータをもとに行われています。このような環境下において、ホテルの経営陣は経営戦略会議をBIでのデータ分析結果を参照し、柔軟な思考でお互いの意見を出し合うものにしなくてはなりません。このようなデータをもとにした意思決定により、自施設のターゲットとなるお客様を適正な料金と適切なチャネルで誘導し、収益の最大化につなげることが出来ます。
高度なBIツールと自動化されたレベニューマネージメントシステムがホテルにどのようなメリットをもたらすかについての詳細は、https://ideas.com/ja/をご覧ください。