かつてプログラムで学んだことが
現在の業務に生かされている
かつて首藤氏がメンターとして選んだ人物は、中国のホテルを拠点にグローバルセールスの仕事を担当する女性だった。結婚して数年という時期にあった首藤氏にとって、仕事と家庭の両立が個人的なテーマとなっていた。結婚している女性のメンターから、家庭を築きながら、同時に会社でのリーダーシップをどのように発揮すればいいのかを学ぼうと考えたのである。
「働く女性にとっての30 代は、結婚、出産などプライベートの充実も追求しなければならず、キャリアを積むことに集中するのが難しい時期でもあります。メンターメンティープログラムは、私よりも先にその時期を乗り越えてきた女性からワークライフバランスを教えてもらえる、とてもいい機会となりました。スターウッドは男女平等にチャンスが与えられる企業ですが、それだけ甘えは許されません」
女性がチームを率いていくために必要とされる要素についても、首藤氏はメンターメンティープログラムから学ぶことができたという。
「若くしてチームのトップに立ったメンターから学んだ部下との関係の築き方は、とても勉強になりました。チームのメンバーは十人十色で、全員に対して同じ接し方ではうまくいきません。メンターの彼女は同じ中国であっても、上海、北京、広州など地域によって人との接し方を変える必要のある環境で仕事に取り組んでいました。私はいまだ試行錯誤の最中で常に順風満帆とはいきませんが、人をマネージするという非常に難しい現在の業務において、メンターメンティープログラムで学ばせてもらったことは本当に役立っています」
スターウッドが用意している教育プログラムは、もちろんセールス&マーケティングのハイポテンシャルプログラムにとどまらない。次のステージに進むと、リーディングスターウッドプログラムを受けることができる。ハイポテンシャルプログラムを修了後さらにキャリアを積んだ人材が、シニアマネージメントとして社内でのリーダーシップを発揮できるようになることを目的とした包括的なプログラムである。
このプログラムにはさまざまな部署から人材が集まり、スターウッドにおいてどのようにリーダーシップを発揮していくのかについて一定期間の研修によって共に学んでいく。このように段階的なプログラムを用意することで、キャリアアップとともに必要な教育が与えられることになる。
「ドゥ・ザ・ライト・シング」にのっとった
強いチームづくりを追求していきたい
「どのレベルのポジションに向けたプログラムであっても、教育の指針が明確であるところにスターウッドの素晴らしさを感じます。頑張る社員をとても大切にしてくれる社風なので、実力で勝負したいという気持ちが強い人にフィットする会社だと思います」
スターウッドアジア太平洋地域全体の取り組みとして推進されているホットスタートプログラムは、スターウッド セールス オーガニゼーションおよび各ホテルより推薦を受けた人材を対象に実施されている。スターウッドとはどのような会社なのかに始まり、セールス、レベニューマネージメント、マーケティングについてのトレーニングが行なわれる。
「特に中途採用の人材にとって、海外の拠点で『スターウッドとは何か?』について勉強できる時間を与えてもらえるのは、とてもありがたいことだと思います」
首藤氏がいつも意識しているのは自分のキャリアアップよりも、「強いチーム」をつくることだという。「ドゥ・ザ・ライト・シング(正しいことをしましょう)」のスローガンのもと、あらゆることに対して透明性を求めるスターウッドの方針に首藤氏は大きな信頼を寄せている。その方針に基づいて、チームのメンバー全員の意識を真っすぐに整え、その上でチームワークを築き上げていく。その先に、グローバルチェーンの中でも一目置かれる強いチームの姿が浮かび上がってくる。
首藤氏は今後の課題として、スターウッドが持つグローバルセールスの魅力を外部にしっかりと伝える発信力の強化を挙げる。よりよい人材を確保していくためにも「スターウッドに入れば、グローバルな視野に立った革新的なビジネス展開にかかわることができる」という情報を、さらに積極的にアピールしなければならないと考えているのだ。
スターウッドの根幹を支える教育プログラムの存在価値は、首藤氏のような優れた人材が将来にわたり増えていくことで、より一層高まっていくに違いない。
日本スターウッド・ホテル㈱ 首藤 由美氏
キャリアプログラムが生みだす優れた人材 働く人の成長がスターウッドを成長させる
【月刊HOTERES 2015年09月号】
2015年09月24日(木)