2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、インバウンドの増加に沸く日本の観光マーケット。その中でホテルが直面している最大の課題が人材不足であることに異論を唱える人はいないだろう。世界中で約1200 軒のホテルを展開しているスターウッドホテル&リゾートにおいても、人材の確保と育成は最重要課題の一つと言える。その課題に取り組むため、スターウッドでは人材育成プログラムの充実を図っている。
「スターウッドは計画的な人材登用とキャリア開発プログラムによって、人材の多様性と社員のキャリアアップをサポートしています」と言う首藤由美氏
数字に責任を持ち、実績を上げれば
次につながる教育プログラムを受けられる
スターウッド セールス オーガニゼーションで統括営業部長を務める首藤由美氏は、スターウッドホテル&リゾートの教育プログラムを通じてキャリアを積み上げてきた。
首藤氏が担当するのは、スターウッドが国内外で展開する全ホテルの営業販売。ほかの外資系ホテルで営業を経験後、スターウッドに入社して10 年目を迎えた。コーポレート営業のセールスマネージャーとして社内のキャリアをスタートさせ、シニアセールスマネージャー、コーポレートセールスチーム部長を経て、4 年前にコーポレートセールスとエージェントセールスの2 チームを統括する現在のポジションに就いた。
「スターウッドは数字の面での厳しさがあります」と首藤氏は言う。「ただ、与えられた数字に対して責任を持ち、実績を上げた人には、キャリアアップにつながる充実したプログラムが用意されています。私が担当する営業においては、ハイポテンシャルプログラムが提供されています。その中で営業における実績を残し、将来的にリーダーシップを発揮できる可能性のある人材は、上司の推薦によってメンターメンティープログラムを受けることができます」
メンターメンティープログラムでは、メンティーが自ら選んだシニアリーダーシップマネージメントをメンターとして1年間にわたり指導が行なわれる。上司と部下という関係性ではなく、メンターは自分の担当とは異なる分野からもメンティーを選ぶことができる。例えば営業の人間がレベニューマネージメントやマーケティング、オペレーションなどについて学ぶことも可能。メンターメンティープログラムは、社内の人材を別の専門分野につなぐ橋渡しのような役割も担っているのである。
「通常の組織においては、部下は直属の上司以外の人になかなか相談することができないものです。そういったある意味でネガティブな側面を、上下関係のないメンターとメンティーの相互関係によって補っていくこともできる仕組みだと思います」