2014年に開業10周年を迎えた東京・港区のハイグレード・ビジネスホテル、ヴィラフォンテーヌ東京汐留は、客室数497室の宿泊主体型で展開している。もともと約30%だったインバウンド比率は、2011年の東日本大震災の影響で一時期減少したものの、その後は円安などの影響もあり増加傾向に転じている。2014年は年間平均約40%で推移。10月は約50%と好調な動きを見せている。こうした流れを受けてヴィラフォンテーヌ東京汐留では、従来以上に積極的にインバウンド獲得に向けた取り組みを強化していく方針だ。外国人のお客さまからのニーズが高いコンテンツの拡充を図ることを主な目的に、2014年12月、新たな施設としてフィットネスルームを導入した。
テクノジムの最高級ライン「PERSONALシリーズ」のランニングマシン2台、クロストレーナー1台、バイク1台を設置。イタリア製の美しいデザインが、フィットネスルームにラグジュアリー感をプラスしている
住友不動産ヴィラフォンテーヌ㈱企画開発室室長 長江雄平氏 「フィットネスルームをどのように作ればいいのか、私たちはまるで分かりませんでした」と言う長江雄平氏。「人気の高いトレーニングマシンの情報とその組み合わせ方、空間のレイアウトや見せ方まで、テクノジムのトータルなサポートはとても助かりました」
インバウンドの高いニーズに
訴求できる新しい施設で
付加価値を向上させる
「フロントに直接寄せられる声やお客さまアンケートを通じたリクエスト、エリアの周辺環境など総合的に分析したところ、私たちが特に力を入れようとしているインバウンドのお客さまに向けて、フィットネスルームのニーズは非常に高いことが分かりました」、住友不動産ヴィラフォンテーヌ⑭企画開発室室長の長江雄平氏は、フィットネスルームの導入に至った背景をそう解説する。「市況の変化に伴い客室単価が上昇しているこのタイミングで、付加価値の向上につながる新たな施設としてフィットネスルームは訴求力を持つと期待しています」
グループホテルのヴィラフォンテーヌ六本木には、併設されている泉ガーデン内にグループ会社運営のフィットネスクラブがあり、外国人のお客さまを中心に利用率が高い。その実績も東京汐留におけるフィットネスルーム導入を後押しした。
フィットネスルームの導入決定後にまず課題となったのは設置場所。客室も候補の一つに上ったが、年間平均90%の高稼働率で推移していることもあり、客室を一つ失うという選択肢はビジネス上現実的ではなかった。
いくつかの選択肢があった中で、最終的にフロント階にある一室が選ばれた。もともとPC4台を設置したビジネスセンターとして使われていたが、1年ほど前にWi-Fiを全室完備したことで利用率が低下していた。スペースの有効利用という面でも、この部屋をフィットネスルームとしてリノベーションする意味は大きかった。約25㎡というコンパクトなサイズ感も、はじめてのチャレンジをするにはほどよかった。
共用部にある方がお客さまも使いやすい。さらにルーム内のハプニングを想定した場合、フロントからすぐにスタッフが駆けつけられる位置にあることもメリットになる。
フィットネスルームは、ホテルのエントランスの横、フロントの目の前に位置。ゲストからの問合せにもフロントスタッフがすぐに対応できるようになっている
上質な素材とデザインを持つ
マシンが空間を
スタイリッシュに演出する
次にトレーニングマシンメーカーの選択だ。最終的に選ばれたのは、イタリアに本社を構えるテクノジムだった。トレーニングマシンの構成をはじめ、フィットネスルームの空間全体をどのようにコーディネートするべきなのか、テクノジムが持つトータルな提案力が決め手となった。
「さすがイタリア製」と感じさせるトレーニングマシンのデザインの美しさも、ホテル空間にビジュアル的な付加価値を提供してくれる。ヴィラフォンテーヌ東京汐留に導入されたトレーニングマシンは、テクノジムの製品の中でもデザイン、機能ともに高級カテゴリーに位置づけられる「PERSONALシリーズ」。イタリアデザイン界の巨匠で、ブルガリホテルのデザインも手掛けたAntonio Citterio氏がデザインを手掛け、上質な素材とデザインで空間をスタイリッシュに演出する。
“ファニチャーフィットネスマシン”と呼ばれる「PERSONALシリーズ」は、もともとテクノジムがホームユースや、スパなどインテリアデザインにこだわったスペースのために開発したマシンの最高峰シリーズ。「PERSONALシリーズ」のカーディオラインは、リビングやベッドルーム、書斎などあらゆるスペースにマッチし、洗練されたプライベートジムをコーディネートする。こうした特長は、限られた空間の中で構築しなければならないホテルのフィットネスルームにおいても活かすことができる。
テクノジムはこれまで、コンパクトなスペースでも導入できる「スモールフィットネスジム」の提案をホテルに向けて積極的に展開してきた。その経験によって積み上げられたノウハウがヴィラフォンテーヌ東京汐留でも活かされ、ホテル側が求める理想形と合致したのである。ちなみに日本において「PERSONALシリーズ」を設置したホテルは、ヴィラフォンテーヌ東京汐留がはじめての事例。設置されたトレーニングマシンの構成は、ランニングマシン2台、クロストレーナー1台、バイク1台の計4台。加えてストレッチスペースを確保した。
フィットネスルームを持つことは
ホテルが選ばれるための
重要な条件
ヴィラフォンテーヌ東京汐留の近くにある浜離宮恩賜庭園をランニングコースとして使う人は多い。また、ホテルから銀座や築地までランニングするコースも考えられる。スポーツウェア、シューズの貸し出しを含めて、屋内のフィットネスルームと屋外のランニングコースを組み合わせた訴求をすることで、今後フィットネスホテルとしての側面を打ち出す可能性も広がっていくかもしれない。
「より多くのインバウンドのお客さまにご利用いただくためにも、フィットネスルームはホテルの重要な選定条件の一つだと考えています。将来的にはヴィラフォンテーヌブランドのホテル全体で、フィットネスルームの設置を検討していく必要性があるかもしれません」
どのようなタイミングでどのような新しい施設を導入するのかは、客室単価の向上につなげるための一つのポイントとなる。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年にインバウンド2000万人突破を目指して日本が動き出しているこのタイミングで、フィットネスルームを導入したヴィラフォンテーヌ東京汐留。デザイン性、機能性ともにハイグレードなテクノジムのトレーニングマシンを設置した新しい空間によって、インバウンドに選ばれるホテルとして大きなアドバンテージを手に入れたと言えるだろう。
元々はビジネスセンターだったスペースをフィットネスルームに転換。約25㎡というコンパクトなスペースながら、壁に設置した大きな鏡が広さを演出。パネル、観葉植物なども雰囲気を与えている
Value Package (10㎡) 1,980,000円※消費税・運搬設置費別(プルリマツイン、ランフォルマ、バイクフォルマ)
テクノジムの「スモールジム パッケージプラン」
多機能マシン「プルリマ」が省スペースで
スタイリッシュなフィットネスジムの新設を可能に
高いデザイン性と、オリンピック公式トレーニングサプライヤーにも選ばれる優れた機能性で、世界中のトップアスリートやセレブリティからも高い支持を得る、イタリア「テクノジム」社のトレーニングマシン。ヨーロッパ、アジアでシェアNo.1を誇り、日本でも、今年オープンしたリッツ・カールトン京都やアンダーズ東京など世界屈指のトップホテルにも導入されている。
客室や会議室など
遊休スペースを活用した
ジム新設を可能にする「プルリマ」
ホテルのフィットネスエリアにおける最適なソリューション提案のために、様々な施設ニーズの調査・分析を経て開発された、コンパクトかつ多機能な複合型ストレングスマシン「プルリマ」。10㎡からのコンパクトなスペースで、本格的なジム導入を可能にしている。
また、ホテルのスペースに合わせた筋力マシンと、ランニングマシンなどのカーディオを組み合わせたお得なパッケージプランも用意している。
Performance Package(20㎡)3,180,000円※消費税・運搬設置費別(プルリマタワー、ジョグフォルマ、シンクロフォルマ、リクラインフォルマ)
ビジネスホテルから旅館まで、
フィットネスに関する幅広い
ニーズに合わせたコンサルティングも提供
テクノジムでは、マシンの選定からオペレーションのサポートまで、フィットネススペース導入に関する様々なコンサルテーションにも応じている。筋力マシンからランニングマシンなどのカーディオマシンまで幅広いラインナップが揃うため、ビジネスホテルや旅館など、フィットネスジムの導入が初めての宿泊施設にも、細かいニーズや課題に合わせた提案を行うことができ、導入にかかわる不安や疑問を解決しながら、スムーズなジムの新設をサポートする。