中国の首都・北京屈指のラグジュアリーホテルとして30年の歴史を持つザ・ペニンシュラ北京。主要観光地にも徒歩圏内という絶好の立地にあり、2017年には大掛かりな客室の改装と再編成を完了し、装い新たに確かな実績を積み重ねる。来るべき中国の成熟市場へと視線を向ける総支配人ヴィンセント・ピモン氏に、その取り組みと展望をお伺いした。
Profile
ヴィンセント・ピモン 氏
(Vincent Pimont)
フランス出身。ディズニー社を経て2007 年にザ・ペニンシュラホテルズに入社。ザ・ペニンシュラ北京 宿泊部門の客室担当ディレクターおよび副総支配人を経て、ザ・ペニンシュラパリの副総支配人を3 年間務めた後、17 年ザ・ペニンシュラ北京に復帰。総支配人に就任。
中国ホテルマーケットは安定期を迎えつつある
---北京のホテル市場の現状をどう見ますか。
初めて赴任した12 年前に比べ、北京のホテル市場は大きく変わりました。当時、ホテルの宿泊の5 割はアメリカからのゲストが占めていましたが、今では中国本土からのゲストが飛躍的に増えました。国内旅行者が増え、旅行産業への投資も盛んになり、3 ツ星から5 ツ星まで多くのホテルが高稼働となっています。
巨大な中国の首都・北京には、故宮、天安門広場、王府井大街といった名所をはじめ、郊外には万里の長城といった観光資源が充実し、観光とビジネスいずれの需要も高く人の動きも旺盛です。外国人はビザなしで72 時間滞在可能となり、北京空港から世界各方面への乗り継ぎの間に入国して北京観光する人々も増えています。
中国経済の先行きが不透明な中、5ツ星の競合の中には成長が頭打ちのところもあるようですが、わたしどもでは大掛かりなリノベーションを2017 年に完了し、着実に業績を伸ばしています。
今後については楽観的です。北京市場は劇的な成長はなくとも高い需要を保ち続け、供給過剰の懸念も少ないでしょう。経験上、中国は強大な国であり続けると感じており、北京2022 冬期五輪大会をはじめ期待できる要素が多く、ホテル市場については安定はあっても減退はないのではないでしょうか。