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Close-up 木造建築が持つ可能性 Ⅱ

地震に強く、快適性に優れたツーバイフォー工法の優位性をホテルに提案

【月刊HOTERES 2018年11月号】
2018年11月02日(金)
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 日本は古くから木造建築の文化があり、最近ではインバウンドに人気の観光地である京都や鎌倉の町家をはじめ、日本の風景になじみやすい木造建築の宿泊施設が各地で採用されている。今回は、愛犬と宿泊できる大型リゾート施設「ドギーズ・アイランド」のプロジェクトで木造のツーバイフォー工法による宿泊棟の設計に携わったつばさ設計㈱取締役/一級建築士 菊池 清 氏に、木造建築のホテルの可能性について聞いた。

つばさ設計㈱
取締役/一級建築士
菊池 清 氏
Profile
1970 年日本大学卒業、篠原建築設計事務所入所。74 年よりハウジングシステム研究所で枠組壁工法の日本導入の研究と実務に従事。76年に設計事務所㈱新精神を設立。日本ツーバイフォー建築協会の木造耐火講習講師を務めるなど長期にわたりツーバイフォー工法の普及促進に尽力するかたわら、2017 年よりつばさ設計㈱の取締役に就任、現在に至る。ホテル案件では、13 年から現在に至るまで「ドギーズアイランド」(千葉・大型リゾート施設)の17 棟の宿泊施設を設計。本プロジェクトは現在も継続中。

 
■近年、住宅設計以外の分野でも木造の「ツーバイフォー工法」の採用が増えていますが、その選ばれる理由、特に強度について教えてください。
 
 日本において、地震に強い建物であることが重要です。床と壁、屋根が一体となったツーバイフォー工法の建物は地震の揺れを六面体の建物全体で受け止めてその力を分散、吸収して負荷が一部分に集中することを防ぐため地震に対しての強さがあります。
 
 2016 年、震度7を二度も記録した熊本地震においてもツーバイフォーの住宅は大きな被害はほとんどありませんでした。((一社)日本ツーバイフォー建築協会調べ)
 
 この事実はツーバイフォーの構造の強さを証明していると言えます。加えて、耐火性にも優れています。ツーバイフォー工法は、火の通り道となる壁の内側や天井裏などで枠組み材がファイヤーストップ材となって空気の流れを遮断し、上階へ燃え広がるのを食い止める。この構造によって初期消火の可能性が高く、火災時の災害を最小限に抑えられます。また、建物の気密性が高い構造のため断熱性も向上し、結果的に冷暖房効率が良いエコな建物になるという特徴もあります。ランニングコストも低減してくれる優秀な建物にできるのです。

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