遠山詳胡子氏 株式会社MCS 代表取締役 東洋大学 国際地域学部国際観光学科 非常勤講師 東洋大学 大学院国際地域学科研究科 国際観光専攻博士前期課程
徐 光(JO KO)氏 株式会社ジェーエスディー 代表 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 非常勤講師
夏、ホテル・式場の多くが2015 年後半以降の集客や顧客満足度アップに向けたリニューアルや補修工事を行なう時期でもある。恒例事業ではない。先を読んだ改装ができるかがポイントとなる。相変わらず設計会社やデザイン会社に丸投げしていては大たいまい枚をドブに捨てるようなものだ。そこで今回は環境変化に応じて七変化できる工法を見出した徐 光代表に新技術と今後の建築の在り方などについてお話いただいた。
遠山 徐先生は構造家としてGoodDesign Award 建築デザイン賞や東京建築賞(一般二類)優秀賞など、さまざまな賞を受賞されています。「マンダリン・オリエンタルホテル」も手掛けていらっしゃいますが、最近では「ヴィアイン秋葉原」が、吹き抜けの開放感が素晴らしいスマートなホテルとして注目されていますね。まず始めに徐先生の建築や構造における基本的な考え方を教えてください。
徐 建築においては「長寿命」「超耐震」「更新」「景観」の4 つを重視しています。日本の建築は30 年~ 50 年で壊すという前提で建築構造を組み上げています。耐震においても、大地震時には、人的被害がなければ建築物における損傷は認められています。そのため大きな揺れが起きたとき部分的にあえて壊して倒壊を防ぐという構造で建てています。そうではなくて、地震が起きても壊れない構造を目指し、100 年経っても同じ場所に同じ姿のままでいられる構造を組み入れることが安全性や安定性、精神的な安心感という意味で重要だと考えます。