ヒルトンのラグジュアリー&ライフスタイルの展開が加速している。現在ヒルトンは同セグメントで世界で65 軒、アジア・パシフィックエリアでは22 軒(7 月10 日時点)のホテルを運営しているが、開発計画は世界で65 軒、アジアでは21 軒あるという。本インタビューではヒルトンのアジア太平洋地域のラグジュアリー& ライフスタイル部門 副社長のダニエル・ウェルク氏にヒルトンの現状や強みについて聞いた。
Profile
ダニエル・ウェルク 氏
(Daniel Welk)
ホスピタリティー業界で25 年以上、英国、オーストラリア、アジア地域でさまざまな役割を果たしてきた経験を持つ。ヒルトンには2008 年より入社し、ヒルトンニセコビレッジの総支配人として開業前から参画。その後ヒルトンのクアラルンプールの総支配人、インド地区の運営最高責任者を経て16年4 月より現職。
アジアで増加するミドルクラスが
ラグジュアリーブランドの成長を後押し
❒ まずはウェルクさんが担当されているヒルトンのラグジュアリー&ライフスタイルブランドの概要について教えてください。
ヒルトンにはラグジュアリー&ライフスタイルセグメントとして「ウォルドーフ・アストリア」、「コンラッド」、「キャノピーby ヒルトン」の三つのブランドを展開しています。
このセグメントで、7 月10 日時点でヒルトンは世界で65 軒、アジア・パシフィックエリアでは22 軒のホテルを運営しています。パイプラインは世界で65 軒、アジアでは21 軒あります。
最近ではフラッグシップとなるウォルドーフ・アストリア・バンコクが8 月に開業しました。近くに伝統的な寺院がある一方でショッピングセンターも近くにある素晴らしいロケーションに誕生した最新のウォルドーフ・アストリアブランドのホテルです。
また、新しいライフスタイルブランドであるキャノピーbyヒルトンは現在世界で3 軒運営していますが、今後アジア・パシフィック地域で初となるキャノピーが中国の成都に開業し、続いて杭州、マレーシアのクアラルンプールとさらに3 軒の開業を予定しています。
❒ ヒルトンのラグジュアリーセグメントにおけるアジア・パシフィック地域での営業状況について教えてください。
決算発表でも公表している通り、どのブランドも対前年RevPAR は向上しており全体的には好調だと見ています。アジアは旅行市場のゴールデン・エイジともいえるのではないでしょうか。
日本では現在インバウンドが増加していますが、これは日本に限ったことではなくアジア・パシフィック全体で見られる傾向です。特に収入におけるミドルクラスの人口が増加しており、旅行を楽しむ層が増加しています。それは中国だけでなく、インド、東南アジアでも同様の傾向です。
そして、旅行において以前であればショッピングなどモノが重要でしたが、最近はミレニアル世代を中心にお金では買えない経験を求めている傾向にあります。