2012 年6月にリーガロイヤルグラン沖縄が開業し、3年を迎えた。当初の期待にはかなわず、開業当時は同社いわく“知名度の低さ”がネックとなりなかなか稼働率、売り上げがふるわなかったという。ところが今や、トリップアドバイザーで、那覇エリアの人気ナンバーワンホテルとなり、安定した稼働率・ADR を保つまでになった。世界のリゾート地としてのポテンシャルをさらに高めていく沖縄での施策について、冨澤秀敏総支配人に話を聞いた。
聞き手・本誌 岩本大輝
構成・文・本誌 森下智美
レピュテーションと
アンケート分析で真の声を得る
❒ 今年6 月1 日で開業3 年がたち、4 年目を迎えました。これまでの業績を簡単に教えてください
開業直後の稼働率は、平均43%、ADR は1 万5183 円でした。最大の要因は、大阪(西日本)では絶対的な知名度の“リーガロイヤル”というブランド力が通用しなかったのは正直、まいりました。開業時は開発の担当者としてオーナーとの関係性が築けていたことから、途中から運営にも着手することになりました。そのころから今でも続けているのですが、まずはエージェント店舗へのセールス周りで店舗での朝礼に参加し、エージェントカウンタースタッフの方々への知名度アップを徹底的に行ないました。
おかげさまで口コミサイトの「トリップアドバイザー」では、那覇市内ホテル部門で人気ナンバーワンを2 年余り継続させていただくまでになりましたが、これもレピュテーションから得られる是非の声、宿泊者向けに行なっているアンケートに潜む本当のニーズをしっかりと分析し、問題点を一つ一つつぶしてきたことが実を結んだと思っています。
リゾートエリアでもあり、ビジネス需要は10%程度。年間平均稼働率は70%を目標にすえておりましたが、2013 年度には平均61.2%、ADR1万5906 円。14 年度には77.7 %、ADR はあえて前年同額にしまして稼働の引き上げに注力しました。よって、RevPER は26.6%アップできました。このときは、とにかくご利用いただく人数を増やし、認知度の向上だけに集中しました。こうしてGOP を少しでも上げていくことができればオーナーも安心されると思ったからです。4 月の平均稼働率は87.5%、5 月は77.5%、6 月は80.6%と予想以上の高稼働率で推移しています。
また、今年はインバウンドに対して、より積極的に狙っていきます。14 年度までインバウンド比率は22%程度だったのですが、今年は4 月25%、5 月には30%強、6 月には40%近くにまで順調に数を伸ばしています。昨年からの海外セールスへの注力を含め、トリップアドバイザーでの評価が海外でのブランド力が高まった結果が、如実に表れていますのでこの好機をうまく生かしていく所存です。