「チサン」「ロワジール」などさまざまなブランドを擁し、全国で宿泊施設を展開するソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ。お客さまに選ばれるホテルづくりを目指し、新たな価値の創造に挑んでいる。どんなブランド戦略を展開しようとしているのか、さらなる成長の源泉はどこにあるのかを、同社社長の井上 理氏に聞いた。
井上 理 氏
(Tadashi Inoue)
1999 年米国ローン・スター・グループ ハドソン・ジャパン㈱入社。2003 年同グループ㈱スター・キャピタル取締役副社長および㈱スター・プロパティーズ取締役副社長。07 年1 月ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ㈱取締役副社長兼CFO。12 年11 月よりCMO 兼任。15 年25 日ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ㈱代表取締役社長に就任。
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ㈱
続々と新ブランドを立ち上げる
❒ まずはソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(以下「ソラーレ」)グループ全体の業績についてお伺いさせてください。
グループ全体としては対前年比の売り上げは全体的には順調に推移していますが、エリア別には優劣はあります。
❒ 御社は近年「インソムニア 赤坂」、「雨庵 金沢」や「ザ・スクエアホテル」、「ホテル・アンドルームス」、「ハタゴイン」など新ブランドを続々と立ち上げられています。それぞれのブランドのコンセプトについて教えていただけますか。
インソムニアや雨庵は、「その土地に求められることを。」をコンセプトとするブランドで、そのホテルが建つ地に完全にカスタマイズしたものとなります。2016 年3 月に開業した「インソムニア 赤坂」が弊社の新ブランド1 号店です。
❒ 24 時間眠らない赤坂という土地から着想を得た“insomnia( 不眠症)” を語源とする「インソムニア(INNSOMNIA)」は「眠らないホテル」として話題となりましたね。昨年末に金沢に開業をした「雨庵 金沢」も雨の多い金沢をテーマにしていたりと非常にユニークです。
ところで、今年秋に銀座と金沢に開業するという「ザ・スクエアホテル」、そして、先日名古屋で開業し、10 月には大阪で二軒目を開業する「ホテル・アンドルームス」についても教えてください。「ザ・スクエアホテル」のコンセプトは「街と人がつながるスクエア」としており、デザインなどはザ・スクエアホテルのブランドスタンダードに一部ローカルの要素を取り入れたブランドとなります。オペレーションは、今までの宿泊主体とは違うコンセプトを前面に出したサービスを予定しています。
また、「ホテル・アンドルームス」は、「&」の通り何かほかの要素をホテルにプラスすることで一泊のストーリーを充実させることをコンセプトとする都市型ブランドです。この「ホテル・アンドルームス」に関してはチェーンとしての展開を容易にするために、ハード的なカスタマイズは基本的には行ないません。
新しいブランドとしてはもう一つ、「ハタゴイン」があります。「ハタゴイン」は、ロードサイド型ホテルの進化系で、既存のロードサイド型ホテルに日本の伝統的な旅はたご籠の情緒性を融合させたコンセプトになっています。ハタゴインは客室自体はシンプルですが、都市部のホテルよりお客さまの滞在時間が長いため有意義な時間を過ごしてもらいたいと、その他の館内エリアでさまざま工夫を施しています。