大阪に拠点を置く不動産大手のサムティ㈱は、今後、自社のビジネスホテルブランド「エスペリアホテル」を全国展開していく構えだ。また、成長戦略の一環としてホテル事業をグループの柱の一つとすべく強化育成を図る。代表取締役の江口和志氏に展望を伺った。
サムティ㈱ 代表取締役社長
江口 和志 氏
KAZUSHI EGUCHI
〈プロフィール〉1984年サムティ開発㈱(現在のサムティ㈱、2015年東証一部上場)に入社。99年営業部長、04年常務取締役を経て12年代表取締役社長に就任。
サムティ株式会社
本社=大阪市淀川区西中島4-3-24
☎=06-6838-3616 ㈹
----
本記事は2018年7月27日号特別企画の紹介記事です。
本誌では3月28日に開業したサムティ(株)のエスペリアホテル博多の施設紹介のほか、常務取締役の小川靖展氏による同ホテルの空間設計についてのインタビュー記事が掲載されています。
ご興味・関心をお持ちの方はぜひ本誌をお買い求めください。
HOTERES 2018年7月27日号はこちらでお買い求めいただけます。
https://ec.hoteresonline.com/products/list.php?category_id=7
電子版(ブラウザ閲覧型PDF)購入はこちら
https://sci.hitsdb.net/hb/user
----
■総合不動産会社としてのビジネスに対する姿勢をお聞かせください。
当社はこれまで賃貸マンションの開発を中心に事業を展開して参りました。不動産業では何よりも継続的な事業経営が望まれます。長らくこの業界にいて同業他社の破綻も多く目にしましたが、転落への道はパターン化しているように思います。好況時に足元の基盤を固めず次々と拡大路線を進めた末、不況時に一気に立ち行かなくなるケースです。われわれとしてはより堅実に、売上高よりも利益の積み上げを重視しています。毎月の安定した収益として、家賃収入を積み上げていくことで会社経営を安定させるという思想が根本にあります。
■ホテルビジネス参入の背景を教えてください。
今年3月28日に開業した「エスペリアホテル博多」は、当社として初めて用地取得から携わったホテルです。用地取得時には、土地価額が上昇しつつあり、周囲から懐疑的な声がなかったわけではありませんが、当社として事業性を判断し土地取得を行ない、開発を進め無事開業いたしました。開業後は想定以上に多くの方々にご利用いただき、次の展開に弾みをつけたいと思います。
もともとホテル事業は安定収益を上げるための一つの方法として、2006年に㈱サン・トーアというホテル運営会社を傘下に入れました。サン・トーアは東京・茅場町の「センターホテル東京」と大阪・淀屋橋の「センターホテル大阪」を所有しており、人的資産とこれらの不動産の資産価値を見据えての取得でした。
会社経営は1本脚よりも複数の脚で立ったほうが安定します。われわれにとってホテル開発は不動産事業の中で安定収益を狙うものとしてとらえられます。カテゴリーとしては市況変動が比較的小さいビジネスホテルを中心とした展開を考えています。また、開発したホテルを当社がスポンサーであるサムティレジデンシャル投資法人へ供給し、それを子会社であるサムティアセットマネジメント㈱が運用を受託することで運用収益を確実に積み上げていくことも考えています。
その上で、ゆくゆくはホテル事業も当社の成長を担う基幹事業の一つに育てていきたいというビジョンを描いております。