今年6 月13 日に食品衛生法等の一部を改正する法律が公布された。これによって、すべての食品事業者に高度な衛生管理体制の強化が望まれることになる。この動きは、大きなインバウンド需要が期待される2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて一層加速するものとみられる。利用者から最高レベルの安心・安全を求められるホテルなど宿泊施設においては、可能な限り高度な衛生管理体制構築が望まれることは言うまでもない。今回の特集では、食品安全事故の教訓を踏まえ、HACCP の基本的な考え方を識者から学び、問題点やメリットなどを検証する。
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本記事は2018年7月20日号特集の紹介記事です。
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Contents
■ HACCP制度化の概要
■ 識者からのアドバイス 厚生労働大臣登録検査機関 ㈱BMLフード・サイエンス 顧問 坂場一昭氏
■ FOCUS HACCPに基づく独自プログラムの価値でホテル・レストランを確実にサポート エコラボ(同)
■ プロの精製管理に役立つ製品ガイド ライオンハイジーン㈱、エレクター㈱
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(総論より抜粋)
食品安全を国際基準にボトムアップ
今回の改正の背景には、前回の食品衛生法等の改正から約15 年が経過し、世帯構造の変化を背景に、調理食品、外食・中食への需要の増加など食へのニーズの変化や輸入食品の増加など、食のグローバル化の進展といった我が国の食品を取り巻く環境の変化などが挙げられる。また、広域的な食中毒の発生や、食中毒発生数の下げ止まりなど、食品による健康被害への対応が喫緊の課題。さらには2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や食品の輸出促進を見据え、国際標準と整合的な食品衛生管理が求められる。
ちなみにHACCP とは、「HazardAnalysis and Critical Control Point」の頭文字をとって作られたもの。食品などを取り扱う事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全行程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする手法のこと。それぞれの事業者が使用する原材料、製造方法などに応じて自ら策定し実行することから、従来の一律の衛生管理基準による手法よりも合理的で有効性が高い手法とされている。
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