香港生まれのPAKT は、衣類雑貨アイテムを最適環境に保管する次世代型ストレージサービスだ。アイテムをデジタル管理できるだけでなく、宅配や衣類ケア・クリーニングにも徹底対応。モノの保管収納や荷造りにまつわるさまざまな悩みに答える利便性や合理性が注目され、アジア各国への進出とともにホテルとのタイアップによるサービス拡充も視野に入れる。個人体験からビジネスの着想を得たという創業者 バーバラ・ユー・ラーソン氏にPAKT の魅力と展望を聞いた。
パクト社 CEO
バーバラ・ユー・ラーソン 氏
PAKT Ltd CEO
Barbara Yu Larsson
Profile ハーバード大学BA、ロンドン大学MA。2010 年に香港に移住。香港 エバン・インターナショナル社において、金融・証券・資産運用分野における専門スペシャリストとして活躍する。2011 年にPAKTを創業。
理想のストレージ環境でアイテムを徹底管理&ケア
創業の背景を教えてください。
2010 年に家族とともに香港に移住し高級サービスアパートメントに住み始めたのですが、収納スペースが足りない上に、香港特有の高い湿度に悩まされました。ドレスや毛皮のコート、冬物衣類の痛みを防ぐためには、一年中エアコンをつけて保管しなければなりません。しかも空調だけでは十分でないので、除湿剤をいろいろ試すもののほとんど効果がなく、ほかのあらゆる可能性をインターネットで検索しても、これというものが見つかりませんでした。
息子が通う学校が夏休みの間は、1 カ月近くヨーロッパで休暇を過ごすため長く家を空けるのですが、その間の衣類の管理も悩みの種で、アパートのレセプションも当てにならず、結局はスーツケースに入れて出かけるしかありません。
こうした問題を解決するために、いっそ自分で何か始められないだろうかと思うようになりました。これを事業化する前に100 人ほど、いろいろな方にヒアリングをしてみたのですが、皆さんが似たような悩みを抱えていて、それを解消できるサービスがあればうれしいとの声が方々から上がりました。
手ごたえを感じ、まず自宅アパートで友人やその友人をお客さまとして小さな規模から始めました。完璧主義者なので空調を整えて保管するのにとどまらず、より徹底した管理のもとでサービスを提供したいと考え、実際にテストを行ない、事業化できると判断し2015 年に立ち上げたのがPAKT です。