日本ビューホテルは、旗艦ホテルである浅草ビューホテルの高い収益力を柱に近年好業績を上げており、2017年5月には「札幌ビューホテル 大通公園」をオープンして北海道に初進出。来たる18年5月には「大阪ビューホテル 本町」の開業を予定するなど、「ホスピタリティー」、「地域密着」、景色やロケーションの「ビュー」、「進化と変化」をコンセプトに、事業展開を活発化している。代表取締役社長の遠藤由明氏に、その戦略と展望を聞いた。
日本ビューホテル株式会社 代表取締役社長
遠藤 由明 氏
えんどう・よしあき。福島県出身。日本大学経済学部卒業。1982年日本ビューホテル入社。2010年取締役、15年専務取締役を経て、16年7月28日、新生・日本ビューホテルにおける4代目の代表取締役社長に就任する。
DATA
日本ビューホテル㈱
所在地=東京都台東区西浅草3-17-1
☎03・5828・4429
設立=1953年5月4日
運営ホテル=18施設(うち11施設が直営)
viewhotels.co.jp
都市型観光ホテルとして
主要6都市に事業展開
─まず、ビューホテルの成り立ちを教えてください。
わたくしどもビューホテルの歴史は大きく4期に分かれます。1953年の那須観光㈱設立に始まる1期目に続き、2期には日本ビューホテル㈱に商号を変えて伊良湖や成田、秋田などに事業所を広げ、85年に浅草ビューホテル開業により東京に初進出し、拡大基調の絶頂期を迎えました。
3 期目として、大きな転機となった2001年の民事再生と経営再建の時代があります。再生を機とした新たな経営体制における1代目社長として杉山義行氏が社訓に立ち返った経営の再スタートに取り組み、265億円の再生債務を抱える中、2代目で経理畑の鹿野建治氏が返済のためのシフトを組み、民事再生から約10年後の12年3月に期限前完済を果たしました。
そして4期目、現会長の石井一男氏が3代目社長のとき、経営再建中にはなかなかできなかった各事業所への設備投資による事業の成長戦略を展開すると宣言をして攻めの経営に転じ、2014年に東証二部上場し、翌年に一部に指定されました。
先代が耕してくれた道を橋渡しする役割として、わたくしが4代目の社長として16年7月に就任し、経営基盤のさらなる強化と新たな成長に向けて、「長期持続的な成長」を命題に掲げました。