2013 年10 月、ブライダルでの音楽の適法利用のためのワンストップ・システムを提供するISUM(一般社団法人音楽特定利用促進機構)設立。結婚式場やホテルは音楽の著作権・著作隣接権を守りながら、人生の晴れの舞台である婚礼において楽曲を使用するための手続きを正当かつ容易に行なうことができるようになった。ブライダル事業を展開する㈱エスクリは婚礼ビジネスにおける音楽の存在意義をどのように捉え、サービスの発展へとつなげようとしているのか。両代表の対談によって、婚礼と音楽の関係性を読み解く。
エスクリが運営する「ラグナヴェール東京」のチャペルにて。多数の主要駅からの好アクセスで、あらゆる年齢層のゲストが安心して結婚式に参加できる
一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM = Initiative for Special Uses of Music)
代表理事 アレクサンダー・アブラモフ氏
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㈱エスクリ 代表取締役社長兼最高執行責任者/㈱渋谷 代表取締役会長
渋谷守浩氏
ゲストの個別リクエストをキャッチ
内製化によるサービスの高度化
渋谷 当社が展開しているゲストハウスは、例えばアレルギー対応やハンディキャップといった条件をお持ちのゲストの方々にも、しっかり対応することを挙式者にとっての一つのメリットとして打ち出しています。このようなきめの細かいサービス提供のために必要なのは、結婚式に出席されるゲストの情報を事前にキャッチする力だと考えています。
そこで当社が開発したのが、WEB による情報収集ツール「アニクリ」です。結婚式に参加されるゲストの方々、新郎新婦とそのご両親に必要な個別情報を「アニクリ」に入力していただき、収集された情報に基づいて当社のウエディングプランナーがいち早く対応の準備を始めるという仕組みです。早い段階から打ち合わせをスムーズに進められることから、式当日はゲストの方々にご負担をお掛けすることなく、完璧な形でお招きすることができるのです。
上手に情報をキャッチしたら、次にその情報を使って式当日に想定される課題をクリアすることが重要なポイントとなります。ここではエスクリの基本方針である内製化が力を発揮することになります。キッチンはもちろん、サービス、ドレス、生花、カメラなど、すべての分野について内製化している当社のようなやり方は、ほとんど類を見ないと思います。
アブラモフ 渋谷社長がおっしゃる情報の中に音楽も含まれていると思います。ISUM は新郎新婦のお気持ちを叶えるために、求められた音楽をとことん追いかけます。リクエストが寄せられれば、例えISUM のホワイトリストに載っていない楽曲であっても、新郎新婦の期待に応えるために追いかける姿勢を活動の基本としています。
4年前に500 曲からスタートしたISUM のホワイトリストは、現在1万曲弱になっています。新郎新婦やブライダル事業者の方々から新しい楽曲についての要望を受け、そのニーズに応える形で進めてきました。