IQOS(アイコス:左上)、Ploom TECH(プルームテック:左下)、glo(グロー:右)
本誌で継続的に掲載してきた受動喫煙防止対策に新たな動きが加わった。小池百合子都知事主導の下、東京都が都議会に2018 年2 月、東京都における受動喫煙防止条例案を提出することを発表したのだ。骨子は既報の厚生労働省案にほぼほぼ準ずる形で宿泊施設内の客室などは容認する形を取った。一方、飲食店に関しては依然厳しい条例案を提示しており、さらに紙巻たばこに加え加熱式たばこもその規制対象に加えることが明示されている。そこで今回は各社商品の特徴を検証しつつ、禁煙環境に加熱式たばこのみ利用可能としている店舗にお話を伺い、東京都条例案について考察していく。
IQOS(アイコス)、Ploom TECH(プルームテック)、glo(グロー)
現在日本で正式に販売流通している加熱式たばこは「IQOS(アイコス)、Ploom TECH(プルームテック)、gl o(グロー)」の3 商品である。おのおの、フィリップ モリス、日本たばこ産業、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンがそれぞれ有する紙巻たばこブランドを加熱式たばこ用のスティック、カートリッジとして販売している(商品詳細については図①参照)。これら加熱式たばこの面白いところは各社がまず東京、大阪といった大都市ではなく、名古屋、福岡、仙台と地方都市での先行販売を経て東京および全国販売へと歩を進めた点である。その間、ネットでは各商品の価格が高騰するなど加熱式たばこの需要や人気、さらに将来性を見る現象なども起こり、街中でも携帯電話と共に加熱式たばこのデバイスを持つ光景を数多く見かけるようにもなった。
実はこれら加熱式たばこは国からの正式な販売認可は降りているが、厚生労働省による加熱式たばこの健康影響に関する科学的エビデンス検証の過程にある。従って商品カテゴリーがどのようになるのかが未定の状態にあるのだ。それにもかかわらず、地方行政とはいえ東京都という日本の中心にある行政団体が受動喫煙防止の対象に加熱式たばこを入れるというのはあまりに性急すぎはしないだろうか? 昨今の政情をうかがっていると、加熱式たばこに限らず独自の受動喫煙防止条例の制定に関しても現状都議会が着手するのは築地市場移転問題のごとく、飲食店経営者たちが振り回される懸念もある。そこで次ページでは「禁煙店舗で加熱式たばこのみ利用可能」をサービスとして導入している飲食店に導入経緯やお客さまの声などを伺う。