フランスで誕生した世界的権威を誇るホテルとレストランの会員組織であるルレ・エ・シャトー。同協会日本支部が2 月9 日開催したイベントにパリからCEO ジャン=フランソワ・フェレ氏が駆けつけた。この機に設立60 年を迎えた同協会の今後のビジョンについてフェレ氏に伺った。
ルレ・エ・シャトー
CEO の役割とは
―初めにルレ・エ・シャトーの組織の仕組みと役割について教えてください。
まずフランスにおける協会組織は、NPO 的存在で利益をメンバーのために還元しなければならないという使命があります。ルレ・エ・シャトーは、完全なメンバーシップであり、メンバーによるメンバーのための協会です。そのためメンバーに満足してもらうことを第一義としています。
この会を率いる理事は4 年に一度、必ずメンバーの中から選挙で選出されます。この選挙では540 軒におよぶすべての加盟施設が投票し、会長をはじめ最高意思決定機関の理事会のメンバーが決まるのです。選出された会長と常務理事の役割は、組織としての戦略を立てることですが、会長自身もメンバーとして自身の施設を持っていますから、その戦略を執行することがCEO の役割となります。CEO の私自身はメンバーでもホテルやレストランのオーナーでもありません。私の仕事は理事会が決めた戦略を具現化し、実行していくことにあります。これはルレ・エ・シャトー設立当初から変わらない仕組みです。