五感に訴えるカネボウならではの
モノづくりで他社と差別化
❑ 安心安全を第一とするホテルにとって、パートナー企業にはブランド力に加え高い信頼性が求められます。
幸い私たちには長い歴史の中で培ってきた化粧品づくりのノウハウがあります。
徹底した安心・安全のモノづくりに取り組む一方、効果だけでなく、香りや感触、見た目の剤型など、五感に訴えるカネボウならではのモノづくりに注力してきました。「使って楽しい」「使い続けたくなる」、そんなアメニティを提供できると思います。
今のところ国内ホテルアメニティ市場に参入している国内化粧品メーカーは限られていますので、私たちが参入することはホテル側にとっても差別化のための選択肢が増えることにもなり、プラスに働くと考えています。
❑ ホテルの数が増えて、競争が激しくなった結果、アメニティにも既製品ではなくオリジナル商品を、との考えが浸透し始めています。
弊社(カネボウコスミリオン)が最も得意とするのがODM 化粧品の提供です。
最新情報や市場の変化を的確にとらえ、商品コンセプトや商品戦略の立案の支援に加え、商品イメージを裏打ちするエビデンスを備えた試作品を作り上げることもできます。
また、商品の特性を的確に表現するパッケージデザインのノウハウも豊富です。
❑ ほかの国内有名化粧品メーカーと比較した場合の御社の強みは
先ほども話題に出ましたが、やはり五感設計に基づいた商品開発力と、長い歴史を通じて積み上げてきたジャパンブランドとしてのイメージです。
❑ インバウンドに人気の歌舞伎界とのお付き合いも長いとお聞きしました。
歌舞伎界に提供している舞台白おしろい粉は、1954(昭和29)年、6 代目尾上菊五郎からの依頼を受けて始まり、その後11代目市川團十郎が想いをそそいで1960(昭和35)年に開発されました。
現在でも、品質の高い舞台白粉を製造できる数少ないメーカーとして多くの歌舞伎役者の方にご愛用いただいています。
余談ですが、今でこそ肌を保湿し、滑らかにする機能を持つ化粧品として国際的にも広く認知されている化粧水ですが、実は歌舞伎と縁が深いアイテムなのです。その語源は「化粧に使う水」ですが、江戸時代にはメーキャップの化粧下地や白粉の溶き水として使用されていました。
私たちが長年こだわって製造し続けている舞台白粉と、化粧品におけるジャパンオリジナルの代名詞である化粧水のそれぞれのルーツをたどると、互いに切っても切れない関係だったのです。
❑ 海外のゲストがリスペクトする日本の伝統文化・芸能と深いかかわりがあるのですね。
そのことは、メイドインジャパンの化粧品が注目されている今、私たちにとっての大切な財産です。
もちろんホテルアメニティの開発にダイレクトに反映できる部分とそうでない部分がありますが、商品にストーリー性を持たせることや、またパッケージデザインや商品コンセプトなどにも反映させることができると考えています。
スペシャルインタビュー カネボウコスミリオン㈱ 取締役 営業部長 渡辺 高司 氏
五感設計に基づいた商品開発力を武器に、 カネボウがホテルアメニティ分野へ本格参入
【月刊HOTERES 2017年02月号】
2017年02月10日(金)