㈱フェイス 代表取締役 福永有利子 氏
㈱龍名館 代表取締役社長 浜田敏男 氏
1899(明治32)年、東京のど真ん中に龍名館は誕生した。当時は木造の旅館。同じ建物の中で家族は暮らしていた。まさに家族経営の最たるものであった。関東大震災、第二次世界大戦。焼け野原となった東京の地で苦難を乗り越え、今もなお経営を続けている。1 年後には都内に新たなホテルをオープンする。本誌でも「一丸続走」のタイトルで綴った連載通り、今もなおスタッフ一丸となり未来へ向けて走り続けている。指揮する浜田敏男社長にともに生きるための人材育成、管理などをお聞きした。
福永 御社は明治32 年に起業され、東京をステージにホテルやレストラン経営を継続されています。110 年以上を超えても今もなお継続し続けられる背景には、人材の育成や管理を徹底して行なわれていらっしゃるからだと思います。人材不足や離職率の高さが課題のサービス業界の中でどのような取り組みをされているのかなどお聞かせください。まず始めに御社の現状を教えていただけますでしょうか。
浜田 ホテルは千代田区神田駿河台、中央区八重洲の2 店舗、港区六本木に「紺碧の海」という和食レストラン1店舗を運営しています。明治32 年に創業し、今年で119 年目を迎えます。総売り上げは18 億円、うち55%がホテル・レストラン売り上げで、スタッフはアルバイトを含めて約170 人です。フロント、レストラン、調理部門合わせて新卒を毎年10 人ほど採用しています。