2016 年9 月8 日、リーガロイヤルホテル京都は京の風情と現代的なデザインを散りばめた新しいホテルに生まれ変わった。ホテルの開業は1969 年(昭和44 年)。97 年の改名で「京都グランドホテル」から「リーガロイヤルホテル京都」となった。今回のリニューアルで注力した部分や今後の抱負について、㈱ロイヤルホテルの常務取締役で、リーガロイヤルホテル京都の総支配人 中村雅昭氏に伺った。
株式会社ロイヤルホテル 常務取締役 リーガロイヤルホテル京都 総支配人 中村雅昭氏
7ヶ月間にわたる休業について
■ 2 月1 日から7 ヶ月間休業してのリニューアルですが、この計画についての経緯をお聞かせください。
リニューアル計画には1 年半くらい前から取り組んできました。通常は少しずつ、音を気にしながらの改装ということになりますが、今回の改装ボリュームでは休業せずに行なうとなると2 年以上かかってしまいます。また、それでは思い切ったイメージの変更はできません。これまで部分ごとに改装は行なってきましたが、建物自体は46 年経っています。「リニューアルをどのように進めていくのか」ということは会社としても以前から課題でしたが、この際思い切って全館休業することを決断しました。
休業しても本来ならば9 ヶ月程かかるボリュームですが、休業期間をできる限り短くするように施工業者さんにも工夫していただき、一番多いときで600 ~ 700 人の職人さんや工事関係の方たちが建物内に入り、結果7ヶ月で改装を終えることができました。
■壮大な計画だと思いますが、インバウンドが増加傾向にあり、市場としては盛り上がっているこの時期に、あえて休業しての改装というのは何か理由があったのでしょうか。
いずれするならばということもありますし、2020 年に政府が掲げる訪日外国人観光客数の4000 万人目標を視野に入れるならば、絶好のタイミングだったと思います。特に、大阪、京都は外国人に人気があります。京都もオリンピックイヤーに向け新規施設の開業に伴う客室の供給が増えてきています。訪日外国人観光客数は世界的に見るとまだまだ少なく、今後確実に増加していくと思います。
当ホテルとして、今後はFIT を中心とした欧米のお客さまや、富裕層の方にもより一層ご利用いただきたいですし、長期滞在もしていただきたい。海外のお客さまは大きい部屋や和洋タイプの部屋を希望される方も多いですので、今回のリニューアルにはそういったことを意識し取り入れた部分もあります。