



第2部
「激変する国内オンラインマーケティング」
㈱HMRI デジタル・ストラテジスト 吉崎夏来氏
第2 部では、㈱HMRI の吉崎夏来氏、RateGain Technologies Ltd の田口健氏、アビリティコンサルタントの水野真寿氏、ホテル・リザベーション・サービスの近藤隆文氏の4 人がそれぞれ第1~ 4 セミナーの講師を務めた。
吉崎氏は、まずFIT(外国個人旅行者)を中心としたオンライン消費者が今後さらに存在感を高めると予測。彼らへの適切なアプローチが重要度を増すとの見方を示した。そのうえで、高ADR、RevPAR の達成には、レベニューマネジメントの手法に「プライス・ポジショニング」の概念を取り入れること、「レートインテグリティ(Rate Integrity:価格提示の誠実印象性)」の担保が必須であることを、OTA・メタサーチの台頭に伴う国際旅行市場の変化や、北海道・札幌の市場特性の分析などを踏まえて解説した。
続く田口氏も、吉崎氏と同じく市場環境の大きな変化を指摘。すでに勘や経験頼りのレベニューマネジメントは時代遅れとなり、市場データに基づき、販売経路上に迅速かつ的確に料金提示・在庫供給できるシステム導入を通じたレベニューマネジメントの近代化がホテルの収益最大化には必須であると述べた。そのうえで、Rate Gain が展開するレベニューマネジメントの近代化に不可欠な機能を網羅したシステム「RevGain(レブ・ゲイン)」を紹介。その概要と導入効果について、具体的な事例を示して紹介した。
水野氏は①スマートフォンが今後数年間は消費者のコミュニケーションや消費行動の中核的デバイスとしての地位を維持し続けるであろうこと、②SNS 利用者が増え、体験のシェア文化が造成された結果、積極的に選ばれるホテルとなるにはインスタグラムなどを活用したプロモーションが効果的であることなどを、事例を挙げて示した。
近藤氏は、海外ではすでに浸透しているBTM(Business Travel Managemen=ホテル予約など出張手配や、それと関わる旅費規程の管理を企業が一元管理すること)の考え方を紹介し、ビジネス旅行に関しては、個人がホテルを選ぶ時代から企業がホテルを選ぶ時代になっていくと予測。世界各国で多くサービスの概要と、同社と提携しビジネス客を獲得しやすい環境を整えることによってホテルが得られるメリットなどを紹介した。