2016年6月7日、加森観光㈱とスターウッドホテル&リゾート(以下「スターウッド」)はウェスティンルスツリゾートの全面改装を終え、翌6月8日に同ホテルがグランドオープンすると公表、開業セレモニーを行なった。
テープカットには高橋はるみ知事も出席。道内の観光関係者ら約400人が出席するなど注目の高さがうかがえた。
ルスツリゾートは旧「ルスツリゾートタワー」を12月5日から「ウェスティンルスツリゾート」としてリブランドをしていたが、本格的な改装は4月28日から行なっていた(6月2日〜7日は全館閉館)。
グランドオープンにあたり、加森観光㈱の代表取締役社長 加森公人氏は以下のようにコメントしている。
「ルスツリゾートは35年前、北海道民の皆さまに愛されるリゾートを目指してスタートをしたが、ルスツにやってくる海外からのゲストはこの5年で3.3倍になり、現在は宿泊者全体の28〜29%が海外からのゲストが占めているなど、すでに世界を相手に事業展開をしないといけないという時代になっている。
私たちもその中で海外との提携やハラル対応など努力をしてきたが、LCCなどの影響もあり、その努力以上に海外のお客さまの伸びが早い。
いかにルスツを国際的なリゾートにしていくか、と考えたとき、世界展開をする企業の力を借り、共同で国際的リゾートを育てていくことが必要だと考えた。
これまで私たちが行なってきた海外の営業は点でしかなかったが、スターウッドとの提携によって面に変わっていくと思っている。数多くの人がルスツに興味を持ってくださっている。このウェスティンルスツリゾートの開業によって、ルスツが国際的リゾートとしての本当の幕開けを迎えたと感じている」
加森観光㈱代表取締役社長 加森氏(左)とスターウッドアジア太平洋地区社長 スティーブン・ホー氏
なお、「ウェスティン」ブランドの誘致は、加森氏がルスツの価値を上げるような国際的リゾートをつくりたいという考えから、「ウェスティン」を自ら指名したという。また、加森観光とスターウッドの契約はマネジメントコントラクト。今回のリブランドへの投資は22億円。
スターウッドのアジア太平洋地区社長のスティーブン・ホー氏は「ルスツをアジアで最も人気のあるリゾートの一つとなるよう強化していきたい」と話し、2015年11月に開業した「キロロ トリビュートポートフォリオホテル 北海道」、12月に開業をした「シェラトン北海道キロロリゾート」との関係は「競合ではなく補完し合う関係」という考えを示した。
質疑応答の中で加森氏は「現在は(加森観光が運営している施設の)地域も分散しているが、今後は選択と集中が必要だと考えている。アートホテルズ札幌を売却したのもその一環。私たちはIR(カジノ含む統合型リゾート)に手を挙げていることもあり、ルスツに集中をしていく。現在マスタープランを作成しているが、ショッピングモールやホテルの増築などを考えている。ある意味このウェスティンルスツリゾートの開業によってルスツの投資は開始されたとも言える」ともコメントした。
新しく生まれ変わったブッフェ&ラウンジ「アトリウム」
同ホテルの総支配人を務める宮崎敦氏は「リブランドによってADRも上昇しているほか、ニセコなどほかのエリアに宿泊をしているゲストがルスツに来てその快適さを気に入り、そのままルスツに宿泊することもある。まだ開業したばかりで認知が低いが、その分大きなポテンシャルがある。ゲストの期待を超える体験を提供する上質なオールシーズンリゾートを目指したい」とホテルの未来に期待を膨らませた。
■ ウェスティンルスツリゾート 概要
客室数:210室
料飲施設:日本料理「風花」、ブッフェ&ラウンジ「アトリウム」
宴会・会議施設:ミーティングルーム(110㎡)
その他施設:温泉「ルスツリゾート温泉」、アロマトリートメント「アヴェララ」、
URL:http://www.westinrusutsu.com/