サービス業界における人材不足は深刻な問題となっている。何ら対策も打ち出せないまま、従来通りの募集、採用を繰り返している。特にホテルは過去に縛られ、2020 年の東京五輪開催に向け政府支援の下、国際化の流れが進められてる中でも、サービス人員の国際化に対応できない状況だ。若者の求める仕事への変化が生じている中で、もはや従来通りの考えや受け入れ、職場環境では済まされない時代となった。そんな中、新たな展開がアジアの玄関・福岡で動き出した。
❏ ホテルやレストランの人員の確保はますます厳しい状況となっています。特に対面商売であるサービス業は業種としての不人気も重なり、求めている日本人の若者を採用することが難しくなってきました。そんな中、サービス事業への派遣や業務受託を主に展開しているサンケイプランニング様と創立114 年の歴史を持つ福岡成蹊学園様が、国際化も加味した一歩を踏み出しました。はじめに、合意に至った経緯についてお聞かせください。
足立 岩本理事長から専門学校に通う留学生の就職先が少なく、就職活動に苦戦しているというお話をいただきました。その時点では当社の状況から抱えている問題を解決するための一手をご提案することができませんでした。その後、何とか留学生が活躍できる場を作り出したいと思い、ホテルに相談を持ちかけました。すると留学生を受け入れていただける外資系ホテルの協力を得ることができ、基本的な知識や日本の文化や日本人のサービスに対する姿勢を実践として学べることができる体制が整い、来年度より専門学校のカリキュラムとして導入していく運びとなったのです。就職の確約ということではありませんが、サービス業を日本で学びたいというポジティブな気持ちを持っている留学生の夢を叶えることができればと思います。
岩本 当校は明治35 年、女性のために開かれた裁縫を学ぶ学校として創業しました。しかし、時代の流れの中、服飾系では学校経営として厳しい状況となったことから50 年前、日本にグローバル化の波が押し寄せてくると判断し、福岡市内としてはいち早く語学学校に切り替えました。ところが専門学校の競争激化と4 年生大学の門戸が広がる中で大学進学者の数が増え、学生数30 人台という局面に立たされました。学校再建に向けお声がかかり13 年前に就任し、これからは日本企業の進出にともない経済成長するアジアに着目し、現地の就職活動にも必要な日本語を学べる学校を作ろうと日本語を学べるカリキュラムを構築したのです。