トゥールダルジャン代表取締役
アンドレ・テライユ氏
フュージョン化の波の中で揺れ動く料理の世界で正統フランス料理にこだわる一報で、料理長の創作意欲を尊重し、従業員満足度の向上にも取り組む3代目経営者、テライユ氏のビジョンと今後の戦略を聞く。多くの出店要請を断り、16世紀末創業のパリ本店と昨年で開業30周年を迎えたホテルニューオータニ内東京店の経営に集中するという。
聞き手・本誌 太田 進 構成・春口 和彦
30周年を経て次の10年へ
―ホテルニューオータニにある世界初の支店、トゥールダルジャン東京店(以下「東京店」)が14年9月に開業30周年を迎えましたが、最近年の業績の推移をお聞かせください。
2011年3月の東日本大震災以降、業績はやや低迷しましたが、13年からは順調に回復しています。急激な円安による輸入食材やワインのコスト上昇と消費増税の影響は無視できませんが、業績はほぼ満足のいく状況で推移しています。14年秋の30周年記念イベントも成功裏に終えることができ、次の10年に向けて新たな一歩を歩み始めたところです。