3月1日より「アマン東京」に続くアマン・ジャーニーとして開業する「アマネム」は、都会の喧騒から離れた豊かな自然環境に立地する。24 室のスイートと4 棟の2 ベッドルームヴィラのそれぞれの浴室に温泉がひかれており、日本旅館の細やかなもてなしを基盤として、総支配人の女将がリゾート全体を切り盛りするとしている。
アマネムが位置する三重県志摩市は、東京から西へ約300km。名古屋からは列車なら約2 時間の風光明媚な旅であり、ヘリコプターなら約25 分というアクセスに恵まれている。
建築は「アマン東京」を手掛けた建築家ケリー・ヒル率いるチームが担当し、日本民家に着想を得たモダンに解釈されたスタイルとなっている。平屋造り、屋根瓦、炭色の杉材の外壁など日本の伝統的な温泉や、旅館にみられるシンプルさと、自然の要素をふんだんに採り入れた。
インテリア空間は、和の素材と光の調和によりシンプルでありながらエレガントなたたずまいを備えた。床から天井までの大きな窓と、部屋の隅々まで開けることのできる障子を採用したスイートは、どの部屋からも眺めが遮られることなく、リゾートを取り囲む国立公園の絶景が楽しめる。控えめな色づかいのファブリックとそれに調和したホワイトオーク材のコーヒーテーブル、ソファ、アームチェアなどカスタムメイドの家具により、建物のデザインの調和を目指した。
バスルームは日本の伝統的な風呂場の様式を踏襲しています。チャコールグレーの玄武岩のタイルをふんだんに使用したプライベート温泉エリアと、大きな窓から眺めるプライベートガーデンは好対照をなしている。日本らしさを演出するために、装飾を最低限に抑え、日本独特の文化、真の日本式の風呂を体験できるよう設計した。
レストランとバーの間の玄武岩のテラスには、一段掘られたガラス張りの暖炉が作リ込まれ、アペリティフを楽しむ場所として理想的な場所とした。すぐ横の 33 メートルのインフィニティプールからは、英虞湾のパノラマビューが広がり、穏やかな湾にところどころ浮かぶ真珠の養殖いかだも見える。
飛鳥時代(600〜700 AD)に発祥し、職人たちが時代を超えて受け継いできた日本の伝統芸術 「組子」がリゾート内に彩りを添える。
※組子=釘や接着剤を使わず、工具で小さな木片を大きなピースに組みつけていく工芸。非常に繊細で緻密、高度なテクニックの求められる職人技の成す芸術作品。
さらに、スパおよび2 ベッドルームのヴィラには、美しい着物と帯を飾った。これらは、家業として京都で270 年以上にもわたり、伝統を受け継いできた帯づくりの先導者、山口源兵衛による一点もののアートワークとなる。 年月を経て受け継がれた日本の伝統、古くから伝わる家宝を讃えるものとして、源兵衛による複雑に織り込まれたデザインの帯が壁を華やかに演出する。
「アマネム」のアマン・スパでは、トリートメント、リラクゼーション、ムーブメント(エクササイズ)、ニュートリションの全てを通してウェルネスを促進する包括的なアプローチを目指している。豊かな天然温泉とセラピー効果に恵まれた2000 平方メートルのスパには、中央の温泉水を利用した施設、サーマル・スプリングのほか、露天風呂を各々に備えた 2 つの貸し切り温泉を備えた。また、最新のフィットネスセンター、ワッツスイート、椨の木を囲む静かな庭園を見渡す屋外デッキ付きの大きなガラス張りのヨガスペースも完備している。
4 部屋のトリートメントスイートでは、さらに深いリラクゼーションを希望するゲストのためのプログラムも用意した。ヒーリング作用の認められたミネラル豊富な温泉水、漢方に基づいた伝統的なハーブトリートメントの組み合わせで、心と体は別々ではないことをゲストは実感する。
レストランには、開放感のあるアーチ型の格間天井があり、カジュアルで温かな雰囲気を醸し出している。三重県の四季の変化に富んだ気候が育んできた豊かな食材の数々、果物や野菜、日本発の世界的ブランド「松坂牛」や地元で水揚げされた新鮮な伊勢海老、アワビなどの魚介類を用いた日本料理が楽しめる。
古代より朝廷や神宮に豊富な海産物・穀類などを献上していたMiketsukuni (御食け国)の伝統を踏襲し、今また、その豊かな食遺産を受け継ぎながら、シェフが厳選したその日の旬の食材を12 名のチームとともに提供していく。選りすぐりのワインリストに加え、日本酒、焼酎や年代物の国産ウイスキーの品揃えも、アマネムならではの料理をより鮮やかに彩る。
伊勢神宮へは車で一時間ほどの距離。約5,500 ヘクタールの広大な神域には、125 の神道の宮社と木々に覆われた清々しい空気が漂う「外宮」、清らかな五十鈴川に掛かる檜造りの美しい宇治橋を渡ると、そこからは 「内宮」の聖域に入る。
アマネムに滞在するゲストは、ガイド付きの個別訪問で神楽殿でのお神楽(神に奉納するために奏される歌舞)などの特別な体験を楽しむこともできる。
本州の南端に位置する紀伊山地の主に5つの参詣道(巡礼の道)を指す熊野古道は、近年ユネスコの世界遺産として登録されている。歴代の京の都の天皇が、熊野御幸を繰り返すことで自らを浄め、岩や木々に宿る神々に祈りを捧げたと伝えられており、アマネムでも、熊野古道におけるアマンジャーニー(ハイキングコース)を提供する予定。
また、アマネムは英虞湾の雄大な景色が広がる18 ホールのチャンピオンシップ・ゴルフコース「NEMU GOLF CLUB」に隣接している。全面改修された同施設にて、シーサイドコースのチャレンジングな海越えのホールも楽しめる。
このほか、アマン東京と合わせて旅行を続けるゲストには、アマネムのエグゼクティブシェフによる弁当を用意。古くは鎌倉時代に遡る食の伝統で「米飯」が初めて考えられたとされている。魚や肉、漬物など好みに合わせたおかずが選べる。
アマネム
〒517-0403 三重県志摩市浜島町迫子2165
代表電話番号: 0599 52 5000
ウエブサイト: https://www.aman.com/ja-jp/resorts/amanemu