2015 年に増設した新日本ウエックス野田工場
来日外国人観光客数の増加が好調となっている。政府が目標としていた年間2000 万人来日も予定より早く達成しそうな勢いだ。在京のホテルも高稼働が続き、また、関西のホテル稼働率もかつてない好成績を見せている。
そんな中、需要が増加しつづけているのがリネンサプライ業界だ。
過去に例を見ない、特に高級ホテル業態においては顕著である稼働率好調の中、各ホテルはさまざまなサービスの差別化によっておのおのの魅力をセールスプロモーションの武器としている。その中でベッドリネンやバスローブ、タオルといった肌触りなどでお客さまに“リラックス”を提供するサービスの差別化は重要な戦略ツールであり、利用者にとってもホテルを評価する上で必ず評価ポイントとしてあがる条件となっている。
そして、リネンサプライヤーの業界において革新的な発展をしているのが新日本ウエックスだ。
従来の顧客はもちろん、近年特に高級ホテル業態からのオファーがあとを絶たない程の高いクオリティーを提供できる理由が、それだ。また、2015 年、関東における拠点の一つである野田市の工場を、ほぼ倍の規模にする増設に踏み切った。ホテルのリネンサプライ工場として日本最大規模となり、顧客からの需要に応え、さらに従業員の就業環境を向上させたというから驚きだ。
そこで新日本ウエックス野田工場に取材に伺い、今回の増設の理由について伺った。
「昨今のインバウンドの勢いもあり、関東を中心として、私どもへの需要も非常に上昇しています。それにお応えするために、野田工場を増設し、日産(8 時間)70t 生産できるようにしました。また、最新技術を駆使して自働化・省力化を図って生産能力を向上させる必要がありました。もちろん環境へ配慮し、省エネであることも重要なポイントです。加えて、より多くの従業員にとって「働きやすい」工場になるよう環境を整備しました。そういった複数の観点から工場の仕様を検討していきました」と廣瀬社長。
現在、16 の自社工場で全国ホテル5 万3000 室、関東に限れば3 万室、その中でラグジュアリー業態を数えると約3000 室のリネンサプライを請け負っているという。特に近年、ラグジュアリー業態からのオファーが増えており、その需要に応えるため、各企業ごとに洗剤の配合からプレスに至るまでのカスタマイズを行ない、高スレッドのリネンにも対応できる環境を整備したという。
今後、観光体系の多様化が進む中、来日旅行における宿泊という要素が重視され、クオリティーへの要求が高まることが予想される中、国際的にも高いクオリティーを提供できるリネンサプライヤーの存在はますますホテルにおける差別化の一因となり、その需要を伸ばすことが予想される。
今回、お話を伺った新日本ウエックス㈱ 代表取締役社長 廣瀬純平氏
新日本ウエックス㈱
http://www.wex.co.jp/