2014 年8 月、広島市を集中豪雨による土砂災害が襲った。この災害と消費税増税の影響で、広島市の地元消費はかなり冷え込んだという。同年6 月に代表取締役社長に就任したばかりの百田和之氏は、この厳しい状況下をどう乗り切り、好業績へとつなげたのか。その経営理念および手法、さらに今後の展望について聞いた。
❒ 昨今における広島市を取り巻く状況はいかがですか。
2013 年度は、広島では92 年ぶりに開催された全国菓子博覧会が春に、さらに広島県デスティネーションキャンペーンが夏から秋にかけて実施され、たくさんの方に来ていただきました。
2014 年度は前年の反動が予想されていたことに加え、4 月からの消費税増税、さらに追い打ちをかけたのが、8 月に発生した豪雨災害です。そのため、他都市に比べ、広島市内の消費支出は長期に冷え込み、地元客の多いF&B 部門は、市内のほとんどのホテルが苦戦をしました。私たちも例外ではなく、この厳しい逆風に対し、新たな打開策で客数の回復を図ることにしました。具体的には、お客さまニーズの変化を把握し、①新たなお客さまに来ていただくにはどうしたら良いか、②最近来館されなくなったお客さまに再度来ていただくにはどうしたら良いか、③既にご利用いただいているお客さまに、もっとたくさんご利用いただくにはどうしたら良いのかの視点で、顧客増の戦術づくりに社内の英知を結集しました。