五大陸・世界50 か国以上で愛され昨年60 周年を迎えた、フランスのプロフェッショナルスパブランド「YON-KA(ヨンカ)」。植物学者の兄弟により設立され、治療目的で開発を始め、植物療法を美容と心身の健康の分野に取り入れたパイオニア的な存在だ
「YON-KA」に惚れ込み、単身フランスに渡って提案を続け、日本のブランド展開の権利を獲得したヴィセラ・ジャパンの代表取締役、武藤興子さん。YON-KA が日本に上陸して10 年。顧客のニーズに応えながら常に進化を続け、東京・表参道の直営店は激戦区で生き残っているだけでなく、2014 年には全国のスパユーザー投票で日本一に選ばれるという輝かしい実績もある。さらに、旧スパに隣接する場所に、2015 年7 月、新生「L’ESPACE YON-KAOmotesando(レスパス ヨンカ表参道)」をオープンさせた。スパに革命を起こしたともいえるその独自のシステムとはいかなるものか。
―YON-KA が日本上陸したのは2005 年。10 年でどのような進化を遂げたのでしょう。
10 年というのは一つのものをかたちづくるのに必要な時間の単位だと感じます。知名度アップを一気に行なえば成功するわけでもなく、とはいえ企業として成長に時間がかかりすぎてもいけない。「YON-KA」の展開方法も、厳選した流通を徹底、希少性を保ちながら確実にブランドのファンを増やしてきました。10 年という一つの区切りで改めて振り返ると、マーケットのニーズやブランドのステージにも大きな変化や進化を感じます。
10 年前、YON-KA はフランスですでに半世紀以上の歴史がありましたが、日本ではスパ業界に精通した方、海外のホテルスパで体験した経験があるなどごくわずかな方以外は、ほぼ誰も知らないというのが出発点。しかし、この10 年で日本国内での知名度は確実に上がったと実感しています。
そしてこの10 年で法人のお客さまから私たちに求められるものも随分変わってきました。プロジェクト自体がスタートしたのは12 年ほど前。当時は海外の有名スパやホテルスパが都内にいくつかオープンし、ホテルにスパは必須の施設という意識になりつつあるとき。お客さまにはリラクゼーションの場を提供するだけの存在=リテイル製品の販売には力を入れず、売り上げに関しても期待されていませんでした。それが、最近ではスパ単体でもしっかりと収益を上げ、宿泊客はもちろんスパで新たな集客を行なって外来顧客のリピート率を上げる=一番利益率の高い店販製品の販売を伸ばして欲しい、というリクエストに変わってきました。こういったニーズの変化は、私たちにとって強い追い風だと感じています。