(一社)日本能率協会(JMA、中村 正己会長)と宿泊 ・ 飲食関連8団体が主催する「ホスピタリ ティ」と「フードサービス」の合同専門展示会「HCJ2024」が開催される。会期は2月13~16日の4日間で、今年は東京ビッグサイト(東京都江東区)が会場。「HCJ2024」とは、①外食・宿泊・レジャー業界に向けた「第52回国際ホテル・レストラン・ショー(HOTERES JAPAN)」(テーマ:持続可能なホスピタリティ産業の更なる振興を図る)、②給食・宅配サービス業界に向けた「第45回フード・ケータリングショー」(テーマ:お役立ちの提案~持続的な食の価値向上を目指して~)、③総合厨房・フードサービス機器の商談専門展「第24回厨房設備機器展」(テーマ:あなたの課題を解決します! ニッポン厨房最前線)の三展合同の商談専門展。
HCJ2024 開催概要
▶ 会期 2024年2月13日㈫~2月16日㈮ 10:00~17:00(最終日16:30まで)
▶ 会場 東京ビッグサイト 東展示棟
▶ 出展規模 約750社2,200ブース
▶ 来場規模 60,000人
国内最大規模の展示会が今年も開催
「HCJ2024」は、「国際ホテル・レストラン・ ショー(HOTERES JAPAN)」と「フード・ ケータリングショー(CATEREXJAPAN)」、そして「厨房設備機器展(JAPAN FOOD SERVICE EQUIPMENT SHOW)」の三展共通の柱となるShow (展示)、Conference(カンファレンス)、 Event(イベント)の三つで構成。ホテル やレストラン、給食業界および関連業界の盛んな交流の促進を図り、商談・最新情報・製品情報などが一堂に会する展示会として、業界に広く認知されている。
今回のHCJのテーマは、①人手不足対策のための、人材育成、採用支援、働き方改革の発信②ロボットの活用による生産性向上・人手不足対策の発信③原価やエネルギー価格の高騰による、価格アップへの対応とそれに伴う高付加価値化への取り組みに関する発信。
例年同様、AIやロボット、厨房機器などのさまざまな切り口で課題解決のヒントやおもてなしの現場の最前線を感じることができる展示会となっている。
テーマに沿った新規展示が目白押し、展示・出展規模も大幅増
今回のHCJも、業界の課題をとらえ、それらを解決するための新たなゾーンの編成やブラッシュアップがされており、今年も出展企業・参加者双方にとって魅力的な展示会となっている。規模としても前回の規模を大幅に増やして、約750社、約2,200ブースの出展が集まっている状況だ。まずは各展示ゾーンの見どころを紹介する。
最も大きな会場となる東1~3ホール では、主に厨房設備・機器、衛生・清掃・食中毒対策/HACCP対応をメインとした出展ゾーンとなり、例年通り最新の厨房設備や衛生関連、業務用向け食材、給食・容器など、食にかかわるアイテムやサービスが集結する。
日本最大級のサービス産業向け展示会の中でも圧倒的な注目度と規模感を誇る厨房設備・機器ゾーンは、大手総合厨房メーカーも勢ぞろいし、日本国内の業務用厨房メーカーの多くの企業が出展している。これまでも登場している「業務用食材・飲料」は今年も「厨房設備・機器ゾーン」近くに設置し、多くの業務用食材を紹介する。また、「カフェ・ベーカリー・デザートゾーン」も昨年同様に登場。続いて「外食TECH」では、飲食店経営管理システム、オーダーコールシステム、多言語対応端末、PMS、口コミ管理分析ツールなど、外食ビジネスをサポートするアイデア商品が展示される。
東5ホールでは、ホテルや大型の商業施設から出る温暖化ガス削減のため求められる省エネ基準に適合するための製品、サービスを紹介する「エコ・省エネ対策」ゾーンを展開する。また、ホテル・旅館・外食施設は、ライフスタイスルの変化や社会のニーズに対応するために、新しい顧客体験価値の提供が求められている昨今、ホスピタリティを向上させる設備や空間デ ザインの提案を行なうための展示ゾーンとし て、「ホスピタリティデザイン東京」を展開。「屋外・エクステリア関連設備・備品」ゾーンや、「客室備品・アメニティ・家具・照明・インテリア・商環境設備」ゾーン、「和モダン・和空間」ゾーン、「ホテル・旅館・飲食店向け設計・ 改修」ゾーンが設けられる。
東 5・6 ホールでは、IT・システム関連ゾーンの名称をリニューアルしたサービス業×テクノロジーゾーンを展開。「宿泊TECH(旧:ITシステム・機器関連)」「外食TECH(旧:外食向けITシステム・機器 関連)」、そして新ゾーンの「サービスロボット」の3つで構成されている。人手不足や省人化への対応、顧客の体験価値向上のためにテクノロジーの活用は重視されている。集客におけるマーケティング、チャットボットなどのサービスをはじめ、サービスの価値を向上するための顔認証サービス、AI、言語対応サービスが展示される。
さらに、業界の課題を受けて、業界特化型の採用支援や新たに宿泊・外食業が特定技能2号の対象に加わったことを受け、外国人人材の紹介を行う企業、働き方改革、労務管理ツールなどが中心として出展している「人手不足対策」のゾーンを新設した。
業界のトレンドを発信する セミナーが多数開催
ここからは、特にお勧めしたいセミナーにスポットを当てて紹介する。
まずは、東5ホール特設会場にて開催される「ホスピタリティデザインセミナー」。ここでは、計画・デザインの最新潮流を取り入れたホテル・旅館・外食施設の事例を紹介し、ホスピタリティデザインに焦点を当てたセミナーだ。
次に、東6ホール特設会場にて開催される「トレンドセミナー」。宿泊・外食業界の現場運営から今後の観光産業の動向まで、幅広いテーマを取り上げており、今年は特に、「サステナビリティ」や「高付加価値」といったテーマがキーワードのようだ。
続いて、東1ホール特設会場にて開催される「給食・厨房セミナー」。給食・厨房業界注目の最新テーマをすべて無料で聴講できる。安心・安全の日本の食文化発信、健康長寿を支える食、厨房の省人化やHACCP制度化の最新情報など、給食の供給・厨房設備に関するテーマをさまざまな切り口で掘り下げている。特に今年は、大きな課題となっている人材不足の解決に向け、オートメーション化や省人化などがキーワードになっているようにも見られる。
東5ホール特設会場での「JAPANサウナ・スパセミナー」では、温泉温浴施設向けの経営改善・設備に特化した専門セミナーを開催。競争力・集客力を備えた温浴施設とするための各種ソリューションの紹介や、日本のサウナの未来をプレーヤーや識者の意見交換を通じて浮き彫りにする、実践的な内容のセミナーが連日開催される。
同じく東5 ホール特設会場にて開催される「HCJセミナー」では、出展者によって多彩なテーマのセミナーが行なわれる。今年は、ロボットビジネス、人手不足や離職率低減、レベニューマネジメントや多言語機能など、多岐にわたるテーマで開催を予定している。
年に一度業界有志が集うイベントも開催
今年も目白押しのイベントステージ。HCJの動員数ナンバーワンを誇る、東3ホール特設会場にて開かれるイベントステージの初日は、日本飲食団体連合会主催の「日本飲食団体連合会が語る食のトレンド」を開催。日本飲食団体連合会(会長:服部 幸應)に加盟する様々な業態の飲食店経営者やシェフと食団連理事によるトークセッションを行う。
飲食業界のこれまでの振り返りやこれからの展開について、トレンドや実際の事例を交え
ながら開催する予定だ。
2日目には、FOOD FIELD CREATIVE主催の「日本の食と観光の未来」を開催。食と観光の分野で我が国が一体となり進めていく食への対応、日本らしさを交えた食体験の開発や情報発信について多種多様なステージで解説する。
3日目は毎年恒例、日本ホテル・レストランサービス技能協会が主催する、厚生労働省・東京都後援厚生労働大臣賞「第18回「HRSサービスコンクール」2024」が開催。料飲サービスに関する国内唯一の国家資格であるレストランサー ビス技能士の資格を持つサービスパーソンと専門学生により行なわれ、日ごろ培った技能を競い合うコンクールだ。
最終日となる16日は、日本能率協会主催の「地域振興プロジェクト ~観光分野におけるDX推進~」を開催。人口減少を迎える日本では観光は成長戦略の柱であり、地域活性化の切り札である。観光DX、農泊DX、都市DX、人材DXを通じた地域資源活用、持続可能な成長を実現するソリューションを通じて訪日外国人6000万人時代に備え、新たなビジネス展開につながる情報発信をする。また、2025年に迫った大阪万博や、IR開業についても発信していくようだ。
同時開催の企画にも注目
今年は東8ホール特設会場にて、「宿フェス」と題し、旅の魅力を体感してもらうブース一体型のフェスを14日・15日に開催。47都道府県のブース、観光関連企業のブースのみならず、協力企業・団体 とのイベントタイアップを実施。
また14日-16日には、隔年で開催している「ProLight & ProVisual 2024」を、東7ホールにて開催する。舞台照明・映像メーカー、代理店が一堂に集う、プロフェッショナルの舞台演出家のための専門展示会が開催される。宿泊・外食業でも活用できる新たな演出手法が発信される。
一方今年も、東5ホール(ブース番号 5-K27)にて産学連携「宿泊業のスマー ト化研究会」を開催。本プロジェクトは10年後の未来を見据えた「スマート化」を軸にした変革を表現しており、複数の 企業の商品・ソリューションを融合させ、今の技術でどこまでスマート化が実現可能かを可視化している。
なお、これまでは商談の場がメインであった本展示会だが、昨今の深刻な人手不足の解決に向け、今回は省人化や業界の魅力発信にも重きを置いている。経営者やマネージャー層はもちろん、業界で働く若手スタッフなど、ぜひ幅広い層に来場いただき、展示会当日は有益な情報を効率的にゲットしていただきたい。
HCJ来場登録
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HCJ2024
https://jma-hcj.com/