マイステイズ・ホテル・マネジメントの前身企業に入社以来、30年近く在籍し、成長過程を1から知る飯野 友子氏。現在はグループ企業のMRM合同会社にて、外国人技能実習生を育成する成田・ホスピタリティ・アカデミーの責任者を務める。飯野氏に仕事のやりがいや企業カルチャー、マイステイズ・ホテル・マネジメントの成長理由を伺った。
MRM 合同会社
成田・ホスピタリティ・アカデミー事業部 部長
飯野 友子 氏
■NHA初代責任者に
2023年6月、マイステイズ・ホテル・マネジメントのグループ会社、MRM合同会社が手掛ける「成田・ホスピタリティ・アカデミー(NHA)」が開校した。同校はホテルなどホスピタリティー産業の技能習得を目指す外国人技能実習生の入国後講習に特化した専門施設。同校を率いるのが飯野氏だ。
飯野氏は同社の前身となる中長期宿泊施設を運営する企業に新卒入社し、運営施設の現場業務を経験。その後、教育や採用分野などのキャリアを積み、リクルートメント&トレーニング部長を経て、MRM合同会社のNHA事業部長に就任した。
同校では、同社グループ監修による充実した講習プログラムを提供し、ホスピタリティーの高い人材を育成している。具体的には①日本語学習、②日本での生活一般に関する知識、③法的保護を目的とした技能実習法や入管法、労働関係法などの法定講習の実施、中でも④ホテル専門の技能・知識に関する講習時間にボリュームを持たせていることが大きな特色だ。例えば、校内に作られたモックアップルームでは、本番さながらの環境でルームクリーニング研修が実施される。また、レストランサービスやビジネスマナーの習得、日本の文化・食文化を学ぶ講習、口コミ分析や顧客体験など、大卒の新卒向け研修コンテンツも取り入れながら、ホテルスタッフとしての知識や専門技術の基礎を教えていく。
「日本語が話せない実習生が安心して3年間のホテル実習に取り組めるよう準備教育を行なうことが入国後講習施設の役割ですが、ただ作業を教えるだけではなく、なぜそうするか、どうしたら顧客満足度を高めつつ企業としても成長できるかということも彼らに問いかけ考えさせるなど、自発的に行動できる社会人を育てるという意識を大切にしています。また、学校生活を通して信頼関係ができてくると、彼らの素顔や背景が少しずつ見えてきます。産業が少なく地元での就職が難しいケース、日本企業で働きたいなど、それぞれ希望や夢を持ち人生を賭けて来日していることを知りました。タフで前向きな彼らのチャレンジに寄り添いながら飛躍の後押しすることが今の私の役割であり、大きなやりがいとなっています。彼らは、間違いなく当グループを支える力になってくれると信じています」。
飯野氏は実習生の面談に行くこともあり、中には再会の懐かしさと安堵感から泣き出す実習生もいるという。彼らにとって飯野氏はまさに“日本のお母さん”的な存在なのだ。
「3年間の実習の後、慣れ親しんだ当グループのホテルへ就職を希望する実習生について、特定技能ビザで迎えることも視野にいれています。これは双方にとってプラスとなりますが、近い将来、現行の技能実習制度は発展的に解消され、転職可能な新たな制度が創設される見込みであることから、優秀な外国人に選ばれる職場環境・雇用条件・福利厚生などを実現すべく準備を進めています」。