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2023年5月5-12日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《全国編~アフターコロナ編~》

観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル《全国編~アフターコロナ編~》

【月刊HOTERES 2023年05月号】
2023年05月11日(木)
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 前回に引き続き新たに全データを更新して全国の主要都市を分析していくにあたって、我が国の社会構造や生活者意識に大きな変化をもたらした新型コロナウイルスの影響について整理しておきたい。コロナ禍によるパラダイムシフトはコロナ収束後も拡大していくことが考えられる。リモートワークなど、アフターコロナのマーケットを考える上でベースとなる新たな動向を改めて見ていきたい。

1.コロナ禍の企業活動への影響
今年に入り国内で新型コロナウイルスの感染が拡大しはじめてから3年以上が経ったことになる。5月 8日からそれまでの 2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ 5類感染症に分類され、感染対策が大きく緩和される。まだ先行きの不透明感は拭えないものの、とりあえず一段階収束に近づく形となった。ここでは、我が国の日常生活や企業活動に大きな変化をもたらしたコロナ禍の影響をデータで振り返り、アフターコロナの方向性を考えていきたい。
 
我が国では 2020年 1月 16日に国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてから現在まで、感染拡大と行動自粛による感染収束の期間を繰り返してきた。2021年に入ってからは変異株により、それまでとは桁違いの感染者数規模となって医療崩壊の危機をもたらした(図表1)。
 
我が国においては、欧米諸国がとったロックダウンのような対策は実施せず、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などの行動自粛要請によって感染拡大を抑え込んできた。人の移動の制限、イベント・人の集まる施設の休業・人数制限・時短営業、酒類の提供の制限などが要請された。2020年 2月以降、外国人の入国も段階的に制限され、インバウンドは消滅する結果となった。
 
コロナ禍は企業に深刻な打撃を与えた。飲食・宿泊業は中小企業が多いことから、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施した「新型コロナウイルス感染症の中小小売・サービス業への影響調査」(※1)を見ると、まだコロナ禍のまっただ中だった 2021年 2月の前年同月比の業績比較では「大幅なマイナス影響が発生している」が、41.0%と半数近くを占める結果となっていた。マイナス傾向を合計すると69.6%であり、多くの中小小売・サービス業の企業で何らかのマイナス影響があったことになる。マイナスの要因は活動自粛、国内営業・販売に支障、国内の外出・移動の制限、営業時間の短縮や休業要請などによる(図表 2)。

やはり飲食・宿泊業が最も大きな打撃を受けており、マイナス影響の企業は87.0%にも及んだ。情報通信業は比較的コロナの影響が少なく、プラス影響の企業も9%見られた。小売業やその他サービス業はマイナス影響の企業が 70%ちかくあったものの、プラス影響の企業も10%程度見られた(図表 3)。
 
コロナの影響は商品・サービス提供形態で異なると考えられ、サービス提供形態別に業績への影響を見ると、非接触型は接触型と比べて小売業・飲食・宿泊業のマイナス影響の企業が抑えられていたことがわかる。さらに、非接触型ではプラス影響の企業も増えていた。飲食・宿泊業でも18.8%がプラス影響だった。小売業では 42.1%がプラス影響になっており、ニューノーマルな生活に対応した企業においては、むしろ需要を呼び込んでいたと言える。社会的危機の状況下にあってはレジリエンスな能力がより必要だと言うことだろう(図表4)。
 
コロナ禍はさまざまな新たな様式を生み出した。企業に定着してきているものの一つがリモートワークである。東京都ではテレワーク導入のための事業継続緊急対策助成金も提供され、積極的に導入が推進された。東京都が従業員 30人以上の都内の企業を対象に実施した「テレワーク導入実態調査」によれば、57.8%の企業がテレワークを導入しており、前年に調査した 25.1%と比較すると大幅に増加したことがわかる。従業員数 300人以上の企業では 76.8%にも及んでおり、大半の企業が導入したと言えるだろう(図表5、6)。
 
コロナ禍以前からテレワークなどによる働き方改革によって働き方の多様化が推奨されていたが、コロナ禍によってそれが急速に普及したと言える。コロナ収束後も多くの企業である程度のテレワークの継続が予測される。人口の大きい東京都でリモートワークが普及することは住宅地が多い郊外エリアで平日のマーケットが増えることを意味するだろう。さらに限定的になる可能性もあるが、地方への移住も期待されている。
 
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※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入いただけますよう、お願い申し上げます。
 
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