一方で、数百人規模で披露宴が可能な宴会場を持つホテルはホテルニューオータニだけではない。その点はどのように価値を伝えていくのだろうか?
「ホテルニューオータニには5S(ファイブエス)と呼ばれる、非常に高いレベルの技術を持ったスタッフがいます。料理、ワイン、カクテル、ケーキ、氷彫刻から装花まで、非常に高い技術を持ったスタッフの力を集結させた質の高いウエディングが差別化要素になると考えています」(田中氏)
「5人のSkilled Artisan」からとったものだというこの “5S” は、シェフでありパティシエでもある中島眞介氏、2011年全日本最優秀ソムリエコンクールのチャンピオン谷宣英氏、同ホテルチーフバーテンダーの小森谷弘氏、「氷彫刻世界大会」ほか国内外で数多くのグランプリを獲得している平田浩一氏、そしてこれまで著名人の披露宴を数多く担当してきたフラワーコーディネーターの井出恭子氏の5人を指すという。
一人追加ごとに6万1500円という高単価も、東京で200人以上の披露宴を行なう新郎新婦となると、その多くは企業の社長やその子息などが考えられ、ターゲットとしては良いのかもしれない。
縮小でありながらも未だに新規施設の開業なども続く婚礼業界において、同社のような独自の強みを生かそうとする試みは非常に重要であろう。特典の充実などこれからさらに磨ける部分も見られたが、今回のように独自の特徴を明確に打ち出すという先駆けた挑戦の姿勢は他施設にとっても手本となるのではないだろうか。(取材 岩本大輝)
ホテルニューオータニ
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