前述のように沖縄県としては婚礼の組数だけでなく沖縄リゾートウェディングを通じた観光振興が狙いにある。沖縄県観光振興課の推計によると沖縄リゾートウェディングによる来県者数は約11万3000名、推計経済効果は約111億9000万円以上としている。
2014年の実績では沖縄県の入域観光客数は716万9900人、観光収入は5341億7200万円であるから、概算のために、
①沖縄リゾートウェディングの2015年の着地実績を上半期の倍とする
②沖縄県が公表している観光統計数値である4月までの入域者数の
比率(8.3%増)通り、入域観光客数と観光収入が増加する
と仮定すると、2015年の沖縄リゾートウェディングが沖縄の観光に及ぼす影響は、入域者数では2.9%、観光収入では3.9%となる。
決して大きな数値とは言えないが、総数での伸び率は17.7%と沖縄の入域観光客数の伸び率の8.3%の倍以上となっており、また縮小する国内婚礼市場に国内組数が対前年17.1%増の5524組、さらにはこれからさらに経済的な成長が見込まれるアジアを中心として海外組数が対前年23.3%増という数値からも、このポテンシャルは無視できないはずだ。
「沖縄だから…」という声も聞こえてきそうだが、アジア圏でも数あるビーチ・マリンリゾートの中から選ばれ着実にシェアを獲得している実績、そして縮小する国内市場においても17.1%と大幅に伸ばしていることからも、これは立地だけがもたらした結果ではないはずだ。
今後いち施設ではなくデスティネーションとしての取り組みが重要となってくることが明確な中、各地域が沖縄の事例から学べることは確実にあるはずだ。
沖縄県観光振興課
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/bunka-sports/kankoshinko/index.html