コロナ禍の弔い花火300発
愛媛県西条市では、毎年8月17日は「西条市市民納涼花火大会」として、市内に流れる加茂川の河畔中堤防において大々的に開催している。花火は例年4000発を打ち上げ、観衆は市内外合わせて3万5000人内外の人が、いつも夏の花火を楽しんできた。そもそもこの花火大会は、400年以上の歴史を持つ特別な意味を持ったイベントである。ことの起こりは天正13(1585)年にさかのぼる。そのころ羽柴秀吉は全国統一の事業を進める中で、中国地方の毛利氏とは和睦をすませ、次は四国の平定に向かった。四国は長宗我部氏の所領となっていたが、約定を破棄して小早川隆景に治めさせようとした。このため豊臣軍は10万人の兵を動員して「四国攻め」の戦乱を起こし、地元の武士は氷見の高尾城などに拠つて抵抗した。このときの地元戦死者を慰霊するため花火を打ち上げた。このとき以来、地元では「弔いの火を途切れさせてはならない」と伝統を守ってきた。今年は大会は中止して、やむなく300発の花火をサプライズで打ち上げた。
人口当たり工業出荷額は全国14位
愛媛県の面積は5676.2?で全国26位と、三重県より小さく、愛知県より大きい。人口は138.2万人で全国28位。長崎県より多く、山口県より少ない。年齢構成を見ると、14歳以下の幼年人口は1.9%、15~64歳の生産年齢人口は29.2%、65歳以上の老年人口は68.9%で、全国と比較すると、高齢化が進んでいる。県民分配所得は3.5兆円で全国29位。一人当たり所得は253.5万円であり、全国で北海道に次いで36位となっている。産業別構成比を見ると、第1次産業は12.0%、第2次産業は56.2%、第3次産業は31.8%で、全国平均と比べると第2次産業比率が高い。工業出荷額は4.2兆円で全国25位、人口当たりは302.2万円で全国14位となっている。
ホテルは軒数・客室数とも停滞
飲食店数は14年で6639店。内訳を見ると、食堂・レストランが574店で8.6%、専門料理店が1512店で22.8%を占める。その中で多いのは日本料理店の478店で7.2%を占める。次いで中華料理店が424店の6.4%と続いている。そのほか、すし店が248店(3.7%)、そば・うどん店が300店(4.5%)となっている。また遊興飲食店のバー・キャバレー・ナイトクラブは1189店(17.9%)、酒場・ビアホールは1250店(18.8%)と多く、両者で36.7%を占める。以上のほか喫茶店は1125店(16.9%)、ハンバーガーなどその他の飲食店は419店(6.3%)である。09年調査から飲食店が分離された「持ち帰り・配達・飲食サービス業」は685店である。ホテル数は17年で170軒、客室数は1万752室で、2000年からの伸び率を見ると、ホテル数は全国の26.5%に対して当県は15.6%、客室数は全国の45.9%に対して当県は27.9%の伸びで、ともに平均を下回っている。
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