今回は鳥取県の県庁所在地の鳥取市を取り上げる。鳥取市は県庁所在地の中では最も人口が少ない。しかし、マーケットボリュームでは測れない都市の魅力もあり、豊かな自然、独特の観光資源など大都市や大型観光地にはない魅力がある。今後の観光振興が期待される都市である。以下に鳥取市のマーケットポテンシャルと鳥取県の観光マーケットを見ていこう。
1. マーケットポテンシャル
鳥取市の人口は18 万6864 人(2019年)で、鳥取県内の人口シェア33.3%と、県内で最も多い人口を有している。その他の県内主要都市を見ると、米子市が14 万7212 人で、鳥取市と米子市の2市だけが県内で10 万人以上の人口を有しており、合計で県内の6 割の人口を有する中心都市となっている。その2 都市以外では倉吉市が4 万6942 人、境港市が3 万3699 人と続いている。鳥取県の市部はこの4 市のみとなっている。鳥取県は北を日本海に接し、県内は中国山地が位置するため山間部が多く、居住域が海側の4 市に限られている(図表1)。
増加率(19 年/ 14 年)を見ると、県内主要都市すべてにおいて減少傾向にあることが分かる。鳥取市は▲ 3.0%の減少で、▲ 5.0%以上の減少幅が多い県内主要都市内においては比較的減少幅が小さい。その他主要都市では米子市が▲ 1.3%の微減で、県内主要都市の中では最も減少幅が小さい(図表2)。
鳥取市の年齢構造を見ると若年人口比率は18.9%、適齢期人口比率は24.1%となり、若年人口比率は全国値(18.0%)を上回り、適齢期人口比率は全国値(25.1%)を下回った。その他の県内主要都市を見ると、若年人口比率は米子市が19.1%、湯梨浜町が18.8%で全国値を上回り、倉吉市、境港市が18.0%でほぼ全国レベルとなった。それ以外の主要都市は全国値を下回っている。適齢期人口比率は県内主要都市すべてにおいて全国値を下回っている。その中で、県平均レベル(21.9%)を上回ったのは鳥取市、米子市、境港市であり、こられの都市が県内において比較的生産人口が多いと言える。高齢者比率(65 歳以上比率)を見ると、鳥取市は23.1%で全国レベル(23.0%)とほぼ同じレベルである。その他の県内主要都市はすべて全国値を上回っており、30%前後の都市も多く、県内の高齢化が進展している状態になっている。 将来推計人口を見ると、鳥取市はすでに減少フェーズに突入しており、2040年ころには2010 年ベースから約20%程度減少するとみられている(図表3)。米子市も同様に減少フェーズにあるが、鳥取市よりは減少ペースがやや緩やかである。その他の県内主要都市は将来的には2010 年ベースの60 ~ 70%程度になると思われる。鳥取市は将来的にも鳥取県内で最も高い人口ポテンシャルを維持できるだろう。
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【月刊HOTERES 2020年09月号】
2020年09月09日(水)